2017 Fiscal Year Annual Research Report
The study of the the large scale construction by Toyotomi and Tokugawa government in Kinai
| Project/Area Number |
15K14097
|
|---|
| Research Institution | Kyoto Prefectural University |
|---|
Principal Investigator |
岸 泰子 京都府立大学, 文学部, 准教授 (60378817)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 近世 / 造営 / 武家政権 / 織豊期 / 畿内 / 建造物 / 都市空間 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、戦国期から近世前期の豊臣家や徳川家などの武家政権による城郭・宮殿・寺院・都市などの造営・形成を大規模造営と定義し、畿内を中心にその大規模造営によって創造された空間の特性を解明し、さらにそれらの造営の関係性や概念などの考察から大規模造営が可能となった近世社会・国家の特徴を明らかにすることを目的としている。
平成29年度は、前年度に続いて織豊期・近世前期の先行研究の蒐集・整理を行った。また、資材や人材の調達といった物質的な側面から大規模造営のありかたを明らかにするために、寺社・御所の造営に携わった大工等の史料の検討や、木曽などの地域からの物資調達に関する資料の検討を前年度から引き続いて行った。さらに、畿内の大規模造営に関して寺社の具体的な配置から都市の機能を考察するために、畿内だけでなくその概念が明らかとなっている弘前などとの比較検討を実施した。その結果、畿内の大規模造営に関しては造営間で資材が比較的自由に融通できるシステム・概念が存在していたこと、また織豊期の造営概念は朝廷もしくは他の地域でも適用されるが特に京都においてはその概念を徳川家や天皇・公家らがうまく利用していた可能性があること、などを明らかにした。
また、該当期の造営の実態を解明するための基礎資料となりうる資料データベースを作成するための作業を行った。今年度は他地域・他時期との比較検討も重要であるため範囲をひろげ、主に悉皆調査・伝統的建造物に関する調査を除く建造物調査成果報告書ならびに修理報告書を確認し、それらの書誌情報を報告書(目録)としてまとめた。
|
