2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K14124
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
兼平 真悟 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 助教 (30437248)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アンモニアボラン / 光分解 / 層状複水酸化物 / イオン交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
NaBH4 や LiBH4、アンモニアボランを始めとする水素化物は、錯体水素化物とも呼ばれ 10wt.% を超える高い水素貯蔵能を有するため、新規水素キャリヤとして注目されている。本研究では、キャリヤ用水素化物の一つとしてアンモニアボランを選択し、アンモニアボランの分解により水素ガスを取り出すことを目的とする。そのため、アンモニアボランの分解に適した触媒用セラミックスの合成を行うと共に、光応答することでさらに分解を促進できる、触媒構造の探索を目指した。
触媒用セラミックスとして、層状化合物の一種である層状複水酸化物(LDH)を採用した。LDHは、アニオンに炭酸イオンなど複数のイオンを挿入することができるが、本研究ではアニオンの触媒活性依存性を調査するためにCl-を初めとする複数のアニオンをイオン交換法により挿入し、触媒用セラミックスとした。骨格構造として、Zn-Cr系、Mg-Al系のLDHを選択した。400nm程度の波長を有する光で相互作用させるために、Agナノ粒子をLDHと複合化した。Agナノ粒子は、400nm付近にプラズモン吸収を有するため、外部からの光を効率的に吸収させる効果がある。 触媒用セラミックスをアンモニアボラン水溶液に混合した上で白色光を照射すると、光を照射しない場合よりも2倍程度の速度で水素発生を確認することができた。さらに、触媒用セラミックスの比表面積を拡大する目的でLDHナノシートを作製した。同じく水素ガスを取り出すことはできるが、シート状にすることの優位性はまだ確認できていない。これは、シート同士の凝集により活性が低下している可能性があるためとみている。
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