2015 Fiscal Year Research-status Report
微小材料試験による形状記憶合金の寸法効果と完全形状回復を示す臨界材料寸法の解明
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15K14159
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| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
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Principal Investigator |
稲邑 朋也 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (60361771)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 微小材料 / サイズ効果 / 形状記憶合金 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は，微細組織や力学特性がバルクにおいて十分に明らかにされている， AuCuAl系合金およびTi-Nb系合金において，微小圧縮試験による力学特性評価を行った． AuCuAl合金は，多結晶バルクでは脆性的であるが，集束イオンビーム加工機を用いて，一つの結晶粒内から切り出したピラー形ミクロンサイズ試験片（約10ミクロン x 10ミクロン x 25ミクロン）は延性を示し，良好な超弾性・形状記憶効果も得られた．このことから，当該合金の脆性は粒界の存在によるものであることが明らかになった．また多結晶材では変形が拘束されるため，粒界近傍においてマルテンサイト変態が抑制されるが，ミクロンサイズ試験片ではほぼ完全にマルテンサイト変態することが分かった．この様に，形状記憶合金の特性は顕著な試験片サイズ依存性を示すことが明らかとなった．Ti-26Nb合金については，微小材料試験と共に，単結晶バルク材の試験を行った．単結晶バルク材の試験においては，応力誘起変態により単一バリアントのマルテンサイト相状態にし，その後さらに負荷してマルテンサイト相での塑性変形挙動を詳細に解析した．その結果， これまでに報告のない{103}双晶の活動が新たに発見された．Ti-Nb合金の微小材料試験においては，力学特性は形状回復挙動も含めて顕著な結晶方位依存性を示し，それらは変態の結晶学から予測される結果とおおむね一致した．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進展しているので，単結晶バルク材を用いた研究も追加しておこなっている．想定以上の成果は，AuCuAl合金においては，試験片サイズの微小化に伴い，延性が向上し良好な超弾性・形状回復が見られることが明らかになった点である．粒界の有無が形状記憶効果に及ぼす影響を明らかにできた点は，微小サイズの形状記憶合金を用いる際には非常に有用である．この様に，当初の計画以上に進展している．
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| Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の計画に従って研究をすすめる．追加した点としては，単結晶バルク材との比較によるサイズ効果の検証である．また温度可変ステージを導入し，微小サイズ試験片の変形挙動の温度依存性を解析する．温度可変ステージを導入して，変形挙動の温度依存性も測定しているが，温度変化に伴う装置自体の熱ドリフトを考慮した歪み計測が必要であると考えている．さらにドメイン組織のサイズスケールと試験片寸法の関係について解析を行う．
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Research Products
(6 results)
