2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of New Ammonia Synthesis Process Utilizing Vanadium-Based Hydrogen Permeable Alloy Membrane
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15K14160
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
湯川 宏 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (50293676)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水素透過膜 / バナジウム / アンモニア合成 / エネルギーキャリア / 水素 |
Outline of Annual Research Achievements |
バナジウムは窒素に対する解離触媒能を有している。また、水素透過膜は原子状活性水素を連続的に供給する機能がある。本研究では、これらの2つの機能活用により、従来のハーバー・ボッシュ法とは異なる、バナジウム系水素透過合金膜を用いた新規アンモニア合成法の可能性を検討することが目的である。 昨年までの研究により、V-10Feからなる水素透過膜の二次側表面にPd-Ag合金を格子状に被覆し、水素透過させながら2次側表面に純窒素を吹き付けることで、定性的ながらもアンモニアが合成できることを確認した。しかしながら、アンニア合成の収率は低かった。 本年度は、さらに、V-Ru2元系合金、V-Pd2元系合金について、V-10Feと同様にPd-Agを格子状に被覆してアンモニア合成を試みた。しかしながら、いずれも合金膜でも収率が極めて低かった。また、Pd-Ag合金を格子状に被覆させた試料について、水素透過試験およびアンモニア合成試験を行った後に、その2次側表面をXPS分光装置を用いて分析したところ、試料2次側表面付近では窒素のシグナルはほとんど確認出来なかった。さらに、第1原理計算により、バナジウム中の合金元素と窒素原子との相互作用に及ぼす合金効果を系統的に調べた。 反応場の圧力条件や温度条件、Pd表面被覆の形態およびバナジウム合金膜への添加元素などの影響や、窒素原子および酸素原子との親和性、反応律速段階等に関する調査により反応効率の向上を目指す必用がある。
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