2016 Fiscal Year Research-status Report
終端構造制御を利用したダイヤモンド表面の超精密研磨技術の開発
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15K14179
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
光田 好孝 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20212235)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ダイヤモンド / CVD合成 / 表面終端構造 / 表面研磨 / 欠陥 |
Outline of Annual Research Achievements |
試料としてCVD合成されたダイヤモンド(100)単結晶(自立膜)、比較試料としてSiウエハ上に堆積されたダイヤモンド多結晶膜を用いて、1)ダイヤモンド表面構造の制御と決定、2)ダイヤモンド表面の力学的評価、3)ダイヤモンドの研磨の3段階の研究を行う。初年度に、ダイヤモンド表面構造をH終端1×2構造、O終端1×2構造、無終端1×2構造に変化させることを実現した。 2年度の研究として、研磨方向を決定するために、これら3種類の表面のナノレベルの力学特性を、ナノインデンターを利用して表面摩擦係数の測定を試みた。用いている購入単結晶の平坦度が低く精度のある摩擦係数の測定は困難であったため、ダイヤモンド砥粒を用いて購入後の単結晶表面の低負荷研磨を実施したが、結晶方位による摩擦係数の差は確認できていない。一方、酸処理を用いたF終端構造の制御について、出発表面を上記3種類として試みている。 このように、やや研究の進行に遅れがあると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想していたF終端への終端元素の交換反応が簡単には起こらず、この交換反応の反応条件を見いだすことに手間取っているため。F終端によって、C-C結合に関わる電子をF側へと引き寄せられ、C-C結合が切断しやすくなると、当初考えていた。このため、F終端構造を容易に形成する方法を見いだすことが、当該研究のキーであり、この点に関するブレークスルーが需要である。
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Strategy for Future Research Activity |
F終端への終端元素の交換反応について、ドライ法を用いれば可能なことは判明しているため、湿式法による反応条件を見いだすことが困難であれば、ドライ法を用いて実施することも検討する。
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Causes of Carryover |
おおむね予定通りの研究費が使用されているが、研究がやや遅れているために、次のステップに進めないでいるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ドライ法によるF終端交換反応を実施する場合に、この生じた額を利用する。
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