2017 Fiscal Year Annual Research Report
Improvement of recycling of precious metal catalysts combined with oxides
Project/Area Number |
15K14192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 正史 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70143386)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 秀顕 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 講師 (10581746)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 貴金属触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度には,塩化白金酸水溶液と硝酸ナトリウムを混合溶融するアダムズ触媒の製法で酸化白金の生成を確認し,これにもとづく貴金属複合酸化物の作製方法について検討した.28年度は,より直接的に貴金属酸化物の形成を観察可能な反応条件を模索し,溶融した硝酸塩に金属状態の貴金属を浸漬する酸化実験を実施した. 本年度は,27年度において確認された酸化白金の生成条件にセリウム塩も加え,酸化白金と酸化セリウムが伴って析出するかを調査した.反応条件は,アダムズ触媒の作製方法にもとづいて,塩化白金の塩を混合した硝酸ナトリウムを加熱した.この加熱によって,一部の硝酸イオンが塩化白金と反応して酸化白金が得られることは既に確認されている.そこで,加熱前の混合物に硝酸セリウムを加え,加熱後に生成した酸化物を回収した.得られた酸化物の質量を投入した白金およびセリウムの量と比較するとともに,走査型電子顕微鏡(SEM) とエネルギー分散型X線分光(EDS),および X線回折により分析した.得られた化合物の X 線回折の結果からは,酸化白金および酸化セリウムの構造が共存していることが確認された.一方,SEM-EDS からは酸化白金と硝酸セリウムの析出物を区別することができず,両者は分離して析出しているのではなく微細な混合状態として得られたことが示唆された.本結果より,酸化セリウムと酸化白金の反応性・親和性が示唆されたものと考えているが,調査する酸化物の微細構造や原子の置換を定量的に評価するためには,さらに詳細な研究により明らかにする必要がある.
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