2015 Fiscal Year Research-status Report
超臨界二酸化炭素中における異種元素ドープ窒化鉄ナノ粒子の低温合成と安定性改善
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15K14215
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
齊藤 丈靖 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70274503)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 超微粒子 / 窒化鉄 / 表面反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、反応器と原料供給系の改造を行い、2成分系の原料供給が可能になるように設定した。まず、鉄系原料の反応性を確認するために、Fe2O3薄膜の作成を行った。 確認のために、主に、 外熱型バッチ式反応器内に、Si(100)基板 (1cm × 3cm)をセットし、原料として鉄(III)アセチルアセトナートを5.1×10-5 mol/cm3、酸化剤としてtert-ブチルヒドロペルオキシドを500 μL導入して製膜した。反応温度は300から350℃に設定して、反応器内の圧力を10~20MPaに設定して1時間製膜した。作製したサンプルの膜厚は電界放射形走査電子顕微鏡と分光エリプソメトリー、結晶性はX線回折装置 (XRD)を用いて測定した。 薄膜の評価では、種々の物性値が酸化鉄と異なっていることが予想されたために、酸化剤の添加効果を確認中に送液ポンプが動作不良となり、実験が滞ってしまった。今後、 鉄原料の有機金属化合物、窒素原料の有機化合物を適宜変化させて、評価を加速する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
製膜した試料の評価では、種々の物性値が酸化鉄と異なっていることが予想されたため、以前の実験では作成できていた酸化鉄の製膜が再現できない状況に陥ってしまった。また、送液ポンプが動作不良となり、実験が滞ってしまったことも一因である。 鉄原料の有機金属化合物、窒素原料の有機化合物の用意は住んでいるし、研究環境の準備は整え、また、各種の評価も一通りは行っているので、次年度は充分に実験を進めていくことで遅れを挽回したい。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように、実験環境は整えているので、鉄原料の有機金属化合物(鉄アセチルアセトナート、フマル酸鉄、フェロセン)、窒素原料の有機化合物(ジメチルヒドラジン、メチルアミン、エチルアミン、アンモニア)を適宜変化させて、実験を加速する。 計画そのものは変更していないので、Fe16N2微粒子の作成、滞留時間、反応温度によって、粒径、組成、結晶構造( 透過電子顕微鏡観察(TEM)、X線光電子分光(XPS)、X線回折(XRD))がどのように変化するのか調べる。また、磁化特性評価装置(SQUID)や物理特性測定装置(Physical Property Measurement System, PPMS)を用いて、磁気特性の測定を行い、条件選定と物性の関係、反応速度論の解析を行う予定である。 また、ジメチルアミンボラン、臭化ホウ素や酸化剤を超臨界相中に適宜添加することで、ホウ素と酸素を含有したFeNBO超微粒子を作成する。その後、同様な物性評価を通じて、BやO含有量と各種物性の関係について検討する。特に、安定性、強制加湿による磁性の劣化に注目して評価を行う 最適化を進めたFe16N2超微粒子作成プロセスに対して、サマリウムアセチルアセトナートなどの有機Sm錯体を供給することで、なんとか遅れを取り戻し、Sm含有Fe16N2超微粒子の作成と物性評価を実施する。
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