2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-performance oxidation catalysts and their application to challenging catalytic reactions based on ordered porous materials
Project/Area Number |
15K14221
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
窪田 好浩 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30283279)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | ゼオライト触媒 / MCM-68 / チタノシリケート / 酸化反応 / 四塩化チタン / 直接合成 |
Outline of Annual Research Achievements |
ベンゼン・トルエン・フェノールの酸化において,触媒性能を向上させるには,Ti活性点の分布や質を制御する必要がある。また,触媒調製法の簡便化を図ることも重要である。そこで本研究では,気相TiCl4処理とは別のTi導入方法として,Tiを骨格に含むAl-MCM-68の直接合成を試みた。TiとAlを含む出発ゲルからの直接合成により,MSE結晶相を得ることに初めて成功した。焼成体である(Ti,Al)-MCM-68 (Si/Al = 10,Si/Ti = 91) に対し硝酸処理を行うと,脱Alが起こり,Si/Al = 900となったが,驚くべきことにTi含有量はほとんど変わらなかった (Si/Ti = 91)。DR UV-visスペクトルで,(Ti,Al)-MCM-68_cal の四配位Tiに帰属される210 nm付近のピークと,五・六配位Tiに帰属される270 nm付近のピークが見られた。観測された五・六配位Tiは,吸着水分子が骨格内Tiに配位したものと考えられる。(Ti)-MCM-68では,五・六配位Tiに帰属されるピークが顕著に減少するとともに,四配位Ti由来のピークが明瞭に見られるようになった。(Ti)-MCM-68_calは(Ti)-MCM-68と同様のスペクトルを与えた。従来法で得た[Ti]-MCM-68 (Si/Ti = 70) では,硝酸処理を施すことでTiが脱離し (Si/Ti = 91),TiO2に由来する330 nm付近のピークが現れた。つまり,直接合成した(Ti,Al)-MCM-68においては, 気相TiCl4処理を施した[Ti]-MCM-68よりも骨格内Tiが加水分解を受けにくい。(Ti)-MCM-68に対して気相TiCl4処理を施すと,フェノール酸化活性およびパラ選択性が向上した。調製法により骨格内Tiの安定性とTi活性点の分布が異なることが示唆される。
|