2015 Fiscal Year Research-status Report
細胞の動的3次元パターニングによるオンチップ臓器へ挑戦
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15K14232
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
秋山 佳丈 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (80585878)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞パターニング / 磁気アルキメデス効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,1辺が10mm程度のチャンバーを用いて,磁気アルキメデス効果に基づく細胞パターニングを検証した.まず,ラインアンドスペース状に細胞をパターニングするために適した磁石アレイの配置について,磁場解析により検討した上で,細胞パターニング実験をおこなった. 磁場解析は2次元モデルにより行い,磁束密度および磁力の分布を求めた.磁石アレイには,幅方向に磁化したネオジム磁石(幅1 mm,高さ5 mm,奥行き50 mm)を15枚用いた.各磁石のN極とS極が向かい合うように,すなわち磁石が互いに引きつけ合うように配置した場合は,高さ方向において磁力と重力が釣り合う等高線が,磁石の中央および両端においてチャンバー底面より低くなった.従って,0.5 mmおきのライン状にパターニングすることが予想される.しかし,等高線の形が左右対称ではないため,細胞の密度に偏りが生じる可能性がある.そこで,磁石と磁石の間に0.1 mmの非磁性体のスペーサーを挟むこととした.その結果,スペーサーの上部おいてのみ,磁力と重力の等高線はチャンバー底面を下回った.これにより,パターニングの間隔は1.1 mmとなるが,均一なライン&スペース状にパターニングすることが予想される.そこで,今後,後者,磁石が引きつけ合うように配置しその間に0.1 mmのテフロン製のスペーサーを挟んだものを,磁石アレイとして用いることとした. 次に,比重および磁化率が細胞とほぼ同等な蛍光ポリスチレンビーズを用いてパターニングが可能なことを確認した上で,マウス繊維芽細胞NIH3T3を用いてパターニング実験を行った.まず,チャンバー底面へライン&スペース状へ細胞パターニングが可能であることを確認した.次に,予めチャンバー底面で細胞を培養した上に,細胞を播種し,ライン&スペース上にパターニング可能であることを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,チャンバー底面における細胞上への細胞パターニングに成功した.
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Strategy for Future Research Activity |
フォトリソグラフ等によりマイクロ流路を作製し,その流路内部における細胞パターニングを実証する.特に,血管内皮細胞を用いた血管網構築を目指す.また,磁石を自動ステージにより操作することによる,パターニングの自動化も検討する.
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Causes of Carryover |
細胞パターニングの検証にあたり,蛍光観察のための顕微鏡が必要であったが,選定等に時間を要し,購入できなかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
パターニングの実証にあたり蛍光観察が必須となるため,そのための必要な顕微鏡,光源,フィルター等の購入を予定している.
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Research Products
(5 results)