2016 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of novel process for electron driven microbial CO2 conversion
Project/Area Number |
15K14242
|
Research Institution | Central Research Institute of Electric Power Industry |
Principal Investigator |
松本 伯夫 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 上席研究員 (40371512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 伸一 一般財団法人電力中央研究所, 環境科学研究所, 主任研究員 (20392748)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 鉄酸化細菌 / 二酸化炭素 / 乳酸 / 電気培養 / 還元力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、当所独自の電気培養技術を利用することで、独立栄養微生物である鉄酸化細菌による電気を還元力とした二酸化炭素の有価物への変換プロセスの構築を目指している。これまでに、当所では鉄酸化細菌の電気培養法の適用による高密度化に成功しており、鉄酸化細菌に有用物質生産能を付与することで、効率的なCO2変換プロセスを構築できる可能性がある。最終年度までに、鉄酸化細菌の遺伝子組換え系を確立すると共に、通電時の代謝変動から付与すべき物質生産能を絞り込んだ。最終年度は、鉄酸化細菌に他種微生物由来の遺伝子を導入することで、有価物生産能を付与した遺伝子組換え株を構築するとともに、組換え株の培養に電気培養法を適用することで電気を還元力とした二酸化炭素変換技術のコンセプトを立証することを目的とした。 鉄酸化細菌に乳酸生産能を付与するために、鉄酸化細菌内での発現に対してコドンを最適化した乳酸菌Lactococcus lactis 由来ldhの遺伝子(AF-ldh)を、大腸菌S17-1株を介した接合伝達により鉄酸化細菌へ導入することで、遺伝子組換え株を得た。得られた遺伝子組換え株を対象として、還元電位 +0 V (vs Ag/AgCl) を作用極に印加し、電極から鉄を介して細胞に電子を供給しながら電気培養を行った。非通電時にはほぼ乳酸の蓄積が見られなかったのに対して、電気培養を行った試験区では菌体密度の向上に伴って、乳酸の蓄積量の増加が見られた。以上、これまで知られている光合成等による二酸化炭素変換技術とは異なる電気駆動型二酸化炭素変換技術のコンセプトを立証することができた。
|
Remarks |
松本伯夫:The 3rd AP-ISMET 2016 Best Poster Presentation Award 受賞 平野伸一、長岡亨、松本伯夫:農芸化学会 2017年度 トピックス賞 受賞
|
Research Products
(5 results)