2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K14257
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
川口 淳一郎 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (10169691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡屋 俊一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 参与 (50724241)
羽生 宏人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (60353421)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 燃料電池 / 緊急救命装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)革新的多機能緊急救命装置基本要求の整理; 革新的多機能緊急救命装置基本技術確立のために、期待される緊急救命装置の酸素発生/発電機能性能の向上の狙いを達成するための個別要素技術への分解を行い、各々の要素技術に対する目標配分を行う。 本システムの実用化に至る要素技術開発ロードマップを作成する。 2)革新的多機能緊急救命装置供試体設計/製作; 1)の基本構想に基づき革新的多機能緊急救命装置の小型試験供試体設計を行い、従来型システムに比較して小型・軽量化が可能であることを確認する。システム機能・性能実現のためにキーとなる要素技術である高効率触媒酸素生成プロセス及び排熱の最適利用のための熱マネージメント方式を選定するための小型技術実証試験供試体を設計/製作する。 本供試体製作に当たり、既存所有品の有効活用を図る。 3)革新的多機能緊急救命装置技術評価試験; 上記の小型技術実証試験供試体を使用してキーとなる要素技術取得のために、試験パラメータを変動させ、システム機能・性能試験データを取得する。 試験パラメータとしては触媒層構造、ガスジェネレータ内N2O反応温度/流量/流速/圧力、保温/熱交換機能、燃料供給流量/流速/温度/圧力等熱マネージメント関連及び酸素ガス発生量/発電出力/燃料消費量の性能関連を考える。 本試験結果から、酸素発生装置及び発電システムとして従来システムと比較して10~20%の効率向上が得られる方式、また多機能化により約50%程度の軽量化が可能となる条件について机上検討にて評価する。 最終的に、1)項で検討した革新的多機能緊急救命装置の全体システム(装置)設計に結果を反映させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
亜酸化窒素(N2O)の特性把握、取扱い手順把握、安全性評価を行い、その評価結果等に基づき革新的な「多機能緊急救命装置」の商品としてのシステム設計を行った。 設計検討結果を陸海空のユーザ(鉱山採掘、海中探査、飛行機等有人閉鎖空間での使用を想定)に紹介し、商品化に必要な要望等のフィードバック情報を入手した。貴重な入手情報からシステム設計を見直すと共に、「多機能緊急共鳴装置」技術実証用モデルの設計を行い、小規模の実証モデルを試作した。特にキーとなるN2Oの貯蔵/供給/気化/温度制御/触媒分解の各プロセスに関して、性能試験前に機能を確認し、機能試験に供せられる状態にした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に試作した「多機能緊急救命装置」技術実証モデルを使用してN2Oの特性(自己発熱性)を有効活用した発電システム/酸素発生システム/推進システムといった3要素での機能確認試験を実施する。 N2O供給圧力/温度/流量をパラメータとした試験により機能性能特性変化を把握する。 試験結果を商品設計仕様に反映し、ユーザーへの提案及び商品化マイルストンを今年度に構築する。
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Causes of Carryover |
実証試験を行う予定のJAXA施設(あきる野実験施設)の使用ができない状態が続いており(施設の安全点検が遅れていることに起因する)、そのため年度内の作業完了が困難な状況である。従って次年度に使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度に移行した経費は②項記載の機能確認試験実施及び試験結果評価のための作業人工費用に使用する。
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