2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K14262
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 和夫 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80111699)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水陸両用車両 / 災害支援 / 船体性能 / 回流水槽 / CFD |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度の研究計画・方法として、基本的には水陸両用バスの調査研究とコンセプトデザイン、それらの結果に基づく車輪まわり詳細模型と船体部全体概要模型の設計製作、さらにそれらの実験および数値計算、が主な内容と予定していた。また関連して、車輪まわりのような複雑な流れの可視化についても、実験手法を確立しておきたいと考えていた。 最初に、水陸両用バスの調査研究と調査結果の整理を行い、次に調査結果に基づく水陸両用バス船体部のコンセプトデザインを実施した。コンセプトデザインについては、車輪まわりに双胴の浮体を配置することを考えていた。しかしながら、車体の制約や軸径の配置等を勘案して、船体は単胴にせざるを得ないことが調査結果から分かったので、船体のコンセプトは単胴で進めることに変更し、抵抗性能のなるべく少ない船体形状を探ることにした。 回流水槽実験については予定以上の実験を実施することができた。車輪まわり詳細模型については、車輪の前方後方のカバー部により抵抗特性がどのように減るか、ということに焦点を当てた模型を製作し、3ケースの実験を行ってカバー部の有効性について確認した。次に、船体部全体概要模型を製作することとし、原型の船首部と2種類の改良船首部、計3船首船型模型を製作して回流水槽実験を行い、陸上走行時の馬力以下で海上設計速力を達成できること、および船首形状の違いによる抵抗特性の把握を行うことができた。なお、流れの可視化手法の確立も目標に含めていたが、所有のレーザシート装置による可視化実験については、やや不十分という位置づけにならざるを得なかった。ただし、回流水槽実験全般について言えば、予定以上に研究が進んだと判断してよいと考えられる。反面、数値解析(CFD)的研究については、車輪のある船体まわりの計算格子をどのように作成するか等の準備を進めることはできたが、計算結果までは得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績概要に記載したように、・船体コンセプトについては双胴から単胴に変更した、・回流水槽実験については予定以上のケースについて実験を実施することができた、・ただし可視化実験についてはやや不十分な結果であった、・数値解析的な研究については準備段階までしか研究が進まなかった、というのが進捗状況のまとめになるので、予定以上の部分と予定以下の部分があるので、上記の自己点検評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度については、初年度の回流水槽実験を予定以上に進めることができたので、各ケースの模型実験結果に基づき、さらに水上性能の高い船体形状について、数値解析(CFD)による検討を行うことを主な内容としたい。最終的に船体部の提案形状を決定したいと考えており、具体的には、水上性能向上(流体抵抗低減)の検討と提案形状の絞り込みを詳細な数値計算に基づいて行うこととし、必要があれば検討結果に基づく船体部全体模型の設計製作と回流水槽実験を実施することとする。最終的に、水陸両用バス船体部提案形状の決定を目標とし、回流水槽試験結果および数値計算結果のまとめ、および成果発表および報告書作成に結び付けたい。
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Causes of Carryover |
ほぼ計画通りに使用したが、端数585円が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度交付金に含めて、消耗品を購入する予定である。
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