2016 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the mechanical force driving nuclear migration in developing neurons
Project/Area Number |
15K14317
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
見学 美根子 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授 (10303801)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経科学 / 発生・分化 / 細胞・組織 / ライブイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、皮質形成過程で細胞移動するニューロンの核を粘弾性流体として捉え、高解像生細胞イメージングと力学計測技術を用いて核移動時に発生する力ベクトルを算出し、力の本体となる細胞骨格を同定することで、ニューロン核移動の分子・力学機構の解明を目指してきた。昨年度までの研究で、スピニングディスク式共焦点顕微鏡を用いた高速高解像ライブ観察により、ニューロン移動に伴う動的な核回転運動を見出し、これが核移動を司る細胞骨格の力で起こることを示唆する結果を得ていた。本年度は薬理実験と分子阻害実験を組み合わせ、核回転にはアクチン骨格は関与せず、微小管およびモーター分子ダイニンとキネシンが不可欠であることを証明した。これまで分化したニューロン移動にダイニンが必要であることは知られていたが、キネシンの関与は示されていなかった。そこで移動期の小脳顆粒細胞に発現するkinesin-1の阻害により核移動・回転が抑制され、生体でもニューロン移動が顕著に遅延することを証明し、ニューロン移動にキネシンが関与することを初めて明らかにした。以上の研究はPNAS誌に投稿し、現在改訂のための実験を行っている。また牽引力顕微鏡解析(traction force microscopy)を確立し、移動する顆粒細胞移動が周辺基質にもたらす応力場を解析し、応力分布の時間変化と核移動の相関を検証した。Particle Image Velocimetry (PIV)法でビーズの変位から力ベクトルを算出する方法を用い、核移動と同期して先導突起に牽引力が発生することを見出した。これらの成果をまとめた論文を準備中である。
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Research Products
(5 results)