2015 Fiscal Year Annual Research Report
なぜシナプスには複数のシナプス接着分子が必要なのか―ナノドメイン仮説
Project/Area Number |
15K14330
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
林 康紀 国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, チームリーダー (90466037)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シナプス / 細胞接着因子 / 超高解像度顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
シナプス接着因子はシナプス前部と後部に対となって発現し、シナプス構造の形成、維持や機能調節に働いている。これまでニューロリギン/ニューレキシン、カドヘリン、LRR蛋白質といった多数の分子が同定されているが、一種類のシナプスでなぜ多数の分子が共存するのかは判っていない。本研究では、シナプス接着因子には時空間特異的な機能差異があるのではないかと考え、イメージング技術を駆使して研究を進めてきた。それぞれの分子がシナプスのごく一部に局在し、異なった複数のナノドメインを形成しているという仮説を検証することが目的である。 このため、代表的な細胞接着因子である、ニューロリギンとEphBを対象に、まず超高解像度免疫染色の条件検討を行った。ニコン社製N-STORM顕微鏡を用い、市販のニューロリギンまたはEphBのポリクローナル抗体とHomerのモノクローナル抗体を用い、海馬分散培養に対して免疫染色を行った上で、超高解像度観察を行った。同時に、免疫染色がうまくいっているかを確認するために、共焦点顕微鏡による観察を行った。Homerに関しては、細胞質に存在するタンパク質であり比較的コピー数が多いのと、当研究室での蓄積があり、良い抗体がわかっていたため、比較的簡単に予想されるのと近い画像が得られた。一方、ニューロリギンおよびEphBに関しては、シグナル強度が非常に弱く、確信が持てるシグナルが得られていない。いずれも膜タンパクであり、コピー数が少ないことが原因と考えられる。このため、現在、FLAGタグをN末端に付けた構築を作成し、それをレンティウイルスベクターで導入し、同様に免疫染色することを試みている。 また、そのほかカドヘリンなどの免疫グロブリンスーパーファミリー、グルタミン酸受容体などについても検討を行っていく予定である。
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[Journal Article] A Temporary Gating of Actin Remodeling during Synaptic Plasticity Consists of the Interplay between the Kinase and Structural Functions of CaMKII.2015
Author(s)
Kim K, Lakhanpal G, Lu HE, Khan M, Suzuki A, Hayashi MK, Narayanan R, Luyben TT, Matsuda T, Nagai T, Blanpied TA, Hayashi Y, Okamoto K.
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Journal Title
Neuron
Volume: 87(4)
Pages: 813-26
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Inhibiting the Activity of CA1 Hippocampal Neurons Prevents the Recall of Contextual Fear Memory in Inducible ArchT Transgenic Mice.2015
Author(s)
Sakaguchi M, Kim K, Yu LM, Hashikawa Y, Sekine Y, Okumura Y, Kawano M, Hayashi M, Kumar D, Boyden ES, McHugh TJ, Hayashi Y.
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Journal Title
PLoS One
Volume: 10(6)
Pages: e0130163
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] A Top-Down Cortical Circuit for Accurate Sensory Perception.2015
Author(s)
Manita S, Suzuki T, Homma C, Matsumoto T, Odagawa M, Yamada K, Ota K, Matsubara C, Inutsuka A, Sato M, Ohkura M, Yamanaka A, Yanagawa Y, Nakai J, Hayashi Y, Larkum ME, Murayama M.
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Journal Title
Neuron
Volume: 86(5)
Pages: 1304-16
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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