2016 Fiscal Year Annual Research Report
New technique to sort cells expressing a gene of interest
Project/Area Number |
15K14361
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
依馬 正次 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (60359578)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 遺伝子発現 / 多能性幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
「ある遺伝子を発現する細胞だけ、蛍光で光らせる」この技術は、造血幹細胞の純化やiPS細胞の樹立など、幹細胞学、再生医療を始めとして多くの研究領域で幅広く使用されている基幹技術である。しかし、これまでの方法は、表面抗原に対する特異性の高い抗体に蛍光色素を結合させて、フローサイトメトリーで蛍光を検出したり、Nanog-GFPトランスジーンを有するトランスジェニックマウスを作製し、GFPの蛍光でNanogの発現を模倣したりすることに基づいている。これらの方法は一般的に時間とお金がかかるとともに、必ずしも成功するとは限らないものであった。本研究では、任意のmRNAに対する相補オリゴにナノゴールドを結合させ、mRNAとの相補結合によって初めて蛍光を発するSmartFlareシステムを使用することで、細胞を生きたまま選別できるかどうか、マウス多能性幹細胞をモデルとして検証することを目的としている。H28年度は、前年度までに決定したSmartFlareオリゴの最適トランスフェクション条件に基づき、ナイーブ型多能性幹細胞のマーカーであるRex1遺伝子を発現する集団を単離した。遺伝子発現をqRT-PCR法により評価した結果、Nanog、Esrrb、Stellaなどの他のマーカーも豊富に発現することが分かり、確かにナイーブ型多能性幹細胞を純化できていることが示された。さらに、純化された多能性幹細胞の生存率を単一細胞クローンアッセイにより評価したところ、顕著な生存能の低下は見られず、実用に耐えられることが示唆された。
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