2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集ツールを用いたオンデマンド変異動物作製法の開発
Project/Area Number |
15K14366
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 祥高 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70578848)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / CRISPR/Casシステム / 遺伝子組換えマウス / ES細胞 / ノックイン / 点変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
生命科学研究の発展において、個体レベルでの遺伝子機能解析が果たしてきた役割は大きい。近年報告された次世代のゲノム編集技術であるCRISPR/Cas9システムは、従来法に比べて、非常に簡便かつ高効率に遺伝子改変動物を作製することができる。本課題では、単純な遺伝子破壊(KO)ではなく、点変異やノックインなどのより高度なゲノム編集を試み、CRISPR/Cas9システムを使ったオンデマンド変異動物作製法の構築を目指した。
われわれは以前に、sgRNA/CAS9共発現プラスミドDNAを環状のまま受精卵へ注入することで、効率良くKOマウスを作製できることを報告した(Sci Rep. 2013, Dev Growth Differ. 2014)。まず始めに、同様の方法で点変異およびノックインマウスの作製を試みた。その結果、点変異(一本鎖オリゴDNA導入)やタグ(二本鎖DNA導入)などの0.1kb以下のノックインは効率良く導入できたが、GFPなどの1kb程度の発現カセットのノックインは、ほとんどのケースでうまくいかなかった。つまり、受精卵注入法でのノックイン効率は、導入カセットの大きさに依存して低下することが分かった。
そこで、ゲノム編集効率が高いと報告されているマウスES細胞を使って、点変異やノックインを試みたところ、受精卵注入法とは異なる結果が得られた。つまり、一本鎖オリゴDNAよりも二本鎖DNAの方が、はるかに効率良く目的変異を導入することができた。さらに、従来のターゲティングベクターの相同領域は、両腕とも5kb程度必要であったが、CRISPR/Cas9システムを使ってES細胞へ変異導入する際はそれぞれ0.5~1.0kbで十分であることも分かった。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Calreticulin is required for development of the cumulus oocyte complex and female fertility2015
Author(s)
Tokuhiro K, Satouh Y, Nozawa K, Isotani A, Fujihara Y, Hirashima Y, Matsumura H, Takumi K, Miyano T, Okabe M, Benham AM, Ikawa M.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 5
Pages: 14254
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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