2015 Fiscal Year Research-status Report
小細胞肺がんにおける、好気性代謝亢進とPKM1高発現の意義
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15K14387
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシュバンクセンター, センター長 (50225918)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がん細胞の特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞のエネルギー戦略にて大きな鍵を握るのが、嫌気性代謝から好気性代謝へのカーボンソースの流束であり、そのパスを触媒する酵素の1つが“ピルビン酸キナーゼM(Pkm)”である。 Pkmには酵素学的性質の異なる2つのisoformが存在し、各々が“解糖系→TCA回路”において異なる流束を産み出し、嫌気性/好気性代謝のバランスを決定づけると考えられている。本研究では、小細胞肺がん(SCLC)悪性形質におけるPkm発現と好気性代謝の役割の解明を目標に、研究を行った。 具体的には、約10種のヒトSCLC細胞株を親株として、PKM1またはPKM2のみを発現するSCLC細胞の作製に取り組んだ。手法としては、まず、上記の細胞群にマウス型Pkm1またはPkm2 cDNA(ヒトPkmに対するshRNAに耐性)を、ウイルスベクターを用いて導入した。外来性Pkmの発現が確認できた細胞について、順次、内在性ヒトPkm(ヒトPkm1およびPkm2の両方を標的する)に対するshRNAを発現するレトロウイルスを感染させた。これまでのところ、3種のSCLC細胞については、ノックダウンの段階まで進むことができた。 得られた細胞を解析したところ、Pkm1発現SCLC細胞とPkm2発現SCLC細胞との間に、グルコース消費・乳酸産生・酸素消費・ミトコンドリア膜電位などの点にて、はっきりした違いがあることを明らかにできた。また、細胞増殖にも非常に大きな影響が出ており、今後、より詳細な解析を行うことで、SCLC悪性形質におけるPkmの意義を明らかにできると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Pkm1またはPkm2のみを発現する細胞を単離し、表現型の違いを明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
・精力的に当初計画を進める
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Causes of Carryover |
・消耗品費が当初想定よりも僅かに少なくすんだため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
・次年度の消耗品費に上積みし、より迅速な計画進捗をねらう。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Loss of protein phosphatase 6 in mouse keratinocytes increases susceptibility to ultraviolet-B-induced carcinogenesis2015
Author(s)
Hiroyuki Kato, Koreyuki Kurosawa, Yui Inoue, Nobuhiro Tanuma, Yuki Momoi, Katsuhisa Hayashi, Honami Ogoh, Miyuki Nomura, Masato Sakayori, Yoichiro Kakugawa, Yoji Yamashita, Koh Miura, Makoto Maemondo, Ryuichi Katakura, Shigemi Ito, Masami Sato, Ikuro Sato, Natsuko Chiba, Toshio Watanabe, and Hiroshi Shima
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Journal Title
Cancer Letters
Volume: 365(2)
Pages: 223-228
DOI
Peer Reviewed
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