2015 Fiscal Year Research-status Report
早期ATLL発症マウスにおける発症原因遺伝子の探索
Project/Area Number |
15K14388
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
斎藤 益満 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (20571045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日吉 真照 国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (40448519)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HTLV-1 / ATLL / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)感染から成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)発症まではおよそ50年以上を要する。ATLLの高頻度かつ複雑な染色体異常は、長年の間に蓄積されたさまざまな遺伝子変異が発症原因であることを意味する一方、ゲノム解析技術が発達した今日でも、発症原因遺伝子の同定を困難にさせている要因である。 この解決策として、ATLL発症ヒト化マウスの作製は極めて有用なツールと考えられる。これまでにHTLV-1感染後わずか8週間でATLLを発症するマウスを得ており、本年度はさらにATLL発症ヒト化マウスの匹数を増やすためにヒト臍帯血由来造血幹細胞を高度免疫不全マウスに移植した後、HTLV-1を感染させたHTLV-1感染ヒト化マウスの作製を行った。 HTLV-1感染後、各2週でHTLV-1感染の拡大をモニターし、およそ感染8~10週間後に末梢血のスメア標本の作製、プロウイルス量の測定、さらに組織片の免疫染色を行った。その結果、ほとんどのHTLV-1感染ヒト化マウスでは炎症による細胞増殖と考えられる組織像が認められ、一方ATLLを発症したと考えられるHTLV-1感染ヒト化マウスは2匹だけであった。 本年度の研究計画では、ATLL発症ヒト化マウス由来のATLL細胞の遺伝子発現解析を行う予定であったが、得られたATLL発症ヒト化マウスはわずか2匹であったため、計画通りに研究を進めることが出来なかった。そのために現在、HTLV-1感染ヒト化マウスの匹数を増やすことで、遺伝子発現解析に十分なATLL発症ヒト化マウスの匹数の獲得を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ATLLを発症したヒト化マウスの匹数が期待していた匹数より少なかったため、本年度計画していたATLL発症ヒト化マウス由来ATLL細胞の遺伝子発現解析を行うことが出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度計画していたATLL発症ヒト化マウス由来ATLL細胞の遺伝子発現解析を行うことが出来なかったため、本年度はさらにHTLV-1感染ヒト化マウスの匹数を増やし、ATLLを発症するヒト化マウス獲得のための確率を高める。 一方、ヒトATLL患者由来細胞を免疫不全マウスに移植し、ATLLを発症させるマウスも作製中である。これらのマウスから得られた細胞を用いて遺伝子発現解析を行う予定である。さらに同細胞を用いて次年度に計画している遺伝子変異解析も予定しており、これらの解析結果よりATLL発症メカニズムを解明する。
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Causes of Carryover |
計画していたATLL発症ヒト化マウスの匹数が十分に得られなかったため、予定したいたATLL細胞の遺伝子発現解析を行うことが出来なかった。そのため遺伝子発現解析に必要なDNAマイクロアレイの購入に至らなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ヒトATLL患者由来細胞を免疫不全マウスに移植し、ATLLを発症させるマウスも作製中である。これらのマウスから得られた細胞の遺伝子発現解析に使用する予定である
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Research Products
(2 results)