2016 Fiscal Year Research-status Report
早期ATLL発症マウスにおける発症原因遺伝子の探索
Project/Area Number |
15K14388
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
斎藤 益満 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (20571045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日吉 真照 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 研究員 (40448519)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ATL発症原因遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト化マウスにHTLV-1を感染させることで、早期ATLL発症マウスを樹立した。興味あることに、このマウスから採取したATL様細胞を免疫不全マウスに2次移植した場合は増殖が出来なかったが、HTLV-1/EBV感染B細胞との同時移植ではATL様細胞が認められた。この結果はATL患者では、ATL細胞増殖を支持する細胞が存在していると考えられる。 ATL発症関連遺伝子について探索を行った結果、17番染色体短腕に存在するmiR-324-3PがATL発症に関与していることが明らかとなった。このmiR-324-3PはATL発症のキー遺伝子であるHTLV-1遺伝子、HBZの3'UTRに結合し、HBZの発現を抑制していた。しかしながら、ATLではHBZの3'UTRは高頻度に欠失するため、miR-324-3PはHBZの発現を抑制することが出来なくなり、この脱制御化したHBZがATL発症に深く関与していることが明らかとなった。またATLのmiR-324領域に欠失が認められ、発現低下していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画当初は7匹の早期ATLL発症マウスの作製を予定していたが、3匹しか作製することが出来なかった。しかしながら、これらのマウスより採取したATL様細胞の特性について解析したところ、ATL様細胞は独自では増殖することが出来ず、支持細胞の存在が必要であることを明らかにした。また本研究の主な目的であるATL発症関連遺伝子の同定については、miR-324-3PがATL発症に深く関与していることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最大の目的であったATL発症関連遺伝子の同定について、miR-324-3PがATL発症に深く関与していることを明らかにし、現在この遺伝子のノックアウトマウスの作製、またmiR-324-3Pの標的遺伝子の同定からの機能解析を行う予定である。これらの解析からさらにmiR-324-3PとATL発症との関与を明らかにする。
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Causes of Carryover |
本研究に関する論文を投稿中であるため。またそのリバイズで行う研究費が必要なため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度中に論文がアクセプトされるように努力し、その掲載費とリイバイズに必要な研究費に使用する。
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