2015 Fiscal Year Research-status Report
大腸がん特異抗体を用いた高感度便タンパク検出法の開発
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15K14401
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
古賀 宣勝 国立研究開発法人国立がん研究センター, 実験動物管理室, 室長 (70536086)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 腫瘍マーカー / バイオマーカー / 発現解析 / タンパク診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんの死亡率を低下させるために便潜血検査による大腸がん検診が行われている。検診受診率が目標の50%に近付いてきたが、便潜血検査には偽陰性大腸がん患者や偽陽性健常者の存在と、不必要な精密検査を受けることによる被験者の負担増、精密検査を行う内視鏡医や病理医の負担増という問題点があるため、精度の高い新しい大腸がん診断法の開発が求められている。本研究では便潜血検査と同様に便タンパクを対象とする。大腸がん特異的な抗体付加した磁性ビーズによる高感度タンパク検出法の確立と大腸がん診断法への応用を目的としている。 平成27年度は、取得が困難な複数回膜貫通型の大腸がん特異的分子に対する高性能な抗体の取得を試みた。これまでに複数クローンを取得し、大腸がん細胞株に対する反応性をFACSで確認した。同様に大腸がん細胞株培養上清に対する反応性がELISAで確認可能であったことから、標的とする大腸がん特異的分子は細胞外に放出され対外診断に応用可能であることを見出した。さらにエクソソームマーカーである抗CD9抗体と大腸がん特異抗体を用いたサンドイッチELISAにより、目的とする分子がエクソソーム上に存在することも明らかにした。近年血中エクソソームによるがん診断が報告されている。そこで便タンパク検査へ向けた前段階として、末梢血中腫瘍由来エクソソームによる大腸がん診断法の検討を試みた。大腸がん特異的エクソソームを濃縮するため、捕捉用に大腸がん特異抗体を磁性ビーズに結合させ、検出用に標識した抗CD9抗体を組み合わせた検出法を樹立した。健常者と大腸がん患者間に明らかな差が見られたことから大腸がん患者では末梢血中に大腸がん特異的分子を有する腫瘍由来のエクソソームが循環していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度は樹立が困難な複数回膜貫通型細胞膜タンパクに対する抗体作製を行った。大腸がん細胞株だけでなく、今後の対外診断への応用を考慮しエクソソームなどの細胞外分泌物に対しても反応性がある抗体クローンを複数取得したことで順調に進展していると判断する。一方で便タンパクに対する検討は研究二年度以降に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究二年度は、大腸がん患者および健常者の血清検体の追加検討を行う。確立した検出法を便タンパクにも応用する。また、抗体クローンの作製も平行して行う。
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Causes of Carryover |
抗体作製に時間を要して、臨床検体での評価数が少なかった。また、学会での研究成果の報告や論文発表などがなかったため、旅費や英文校正、別刷代など次年度に持ち越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には多くの臨床検体での評価と、研究成果の積極的な報告を行う予定である。
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