2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a method to analyze glycosylation site-specific glycome at proteome-scale for study on significance of glycan heterogeneity
Project/Area Number |
15K14426
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
梶 裕之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 創薬基盤研究部門, 研究グループ長 (80214302)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グライコプロテオミクス / 糖鎖修飾 / 翻訳後修飾 / 質量分析 / 糖鎖不均一性 / マウス / グライコーム / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の糖鎖修飾では、糖転移酵素など多数の酵素群が作用して糖鎖を付加、修飾するため、糖鎖は多様で不均一な構造になる。糖鎖合成酵素群の発現は細胞ごとに異なるため、糖鎖の構造バラエティーも細胞ごとに異なる。また同じ細胞で合成されてもタンパク質ごとに、さらには同じタンパク質でも付加部位ごとに異なるといわれているが実態はほとんど分かっていない。そこで本研究では、タンパク質付加部位ごとの糖鎖バラエティーを広範に分析する技術を開発し、糖鎖不均一性の実態を俯瞰することで、糖鎖修飾の制御機構などの解明を目指す。付加部位ごとの糖鎖バラエティー解析には、糖ペプチドを直接に解析する技術が必要であるが、高感度な質量分析を利用しても、多段階断片化を要するため感度が著しく悪い。そこで、それを用いずに糖ペプチドの配列と部位ごとの糖鎖組成を分析する技術を開発し、27年度は試料調製及びデータ取得条件を至適化した。28年度はマウス主要組織(肝、腎、脾、膵、胃、精巣)より糖ペプチドを捕集し、一部は糖鎖付加部位同定(IGOT分析)に、残りの試料は付加部位特異的糖鎖分析に供し、大規模なデータを収集した。MS/MS分析に依存せず、糖ペプチドの精密な質量とLCにおける保持時間を指標に同定するため、適切な解析条件の設定が重要である。そこで従来法でペプチドと糖鎖組成を解析し、正答セットを作成した後、これを用いて検索パラメーターを至適化した。この条件を用いてマウス6組織より約800糖タンパク質、約1200部位、のべ約12,000バラエティー情報の収集に成功した。この情報を詳しく解析し、糖鎖不均一性の実態を解析している。
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