2015 Fiscal Year Research-status Report
ドメインライゲーションによって再構成したキナーゼ全長の動的構造解析
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15K14463
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
三島 正規 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 康仁 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60263399)
伊藤 隆 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (80261147)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | マルチドメインタンパク質 / NMR / プロテインライゲーション / sortase |
Outline of Annual Research Achievements |
キナーゼの多くは、柔軟なリンカーで連結されたマルチドメインで構成される全長構造をもち、ドメイン間の相互作用による自己阻害型から、シグナルの入力によってその阻害が外れ、活性型の立体構造(ドメイン配置)へ変化する。本研究ではドメイン間の配置とその変化(活性化)を全長のキナーゼの分子構造レベルで可視化することで、不活性型から活性化に至る制御機構を明らかにするため、全長試料を再構成するストラテジーにより、柔らかな全長PKBやPKCの立体構造(ドメイン配置)を溶液中での解析を目的としている。 まず、高効率なドメインライゲーションのため、高活性型のsortase変異体を作成し、この高活性型を最適な条件で使用することで高効率なライゲーションに成功した。次にさらにもう一つのドメインのライゲーションのため、部位特異的アジドフェニルアラニン導入とクリックケミストリーの適用を検討した。現在までにアジドフェニルアラニン導入したPKCのドメインの調製に成功している。マレイミド型のDOTA-M8を用いた長距離情報の取得に関するテスト測定を行い、このリガンドを用いることで長距離情報の取得ができることを確認した。これにより全長の再構成、構造解析に大きく前進した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
変異体の使用と、最適な反応条件の検討により、高効率なドメインライゲーションを達成し、またDOTA-M8の使用により長距離情報の取得への目途がたったことから判断して、研究はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
ライゲーション反応の効率、ロバストネスをさらに向上させる。そのための反応条件の検討を行る。また現在ライゲーション産物の精製が難航しており、この精製をアフィニティ―タグ等の使用などの工夫により改善させる。長距離情報の取得の取得関しては、さらに他の常磁性中心の使用等も検討する。
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