2016 Fiscal Year Annual Research Report
Biological significance of pseudouridylation in mRNAs
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15K14466
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
弟子丸 正伸 福岡大学, 理学部, 准教授 (70309889)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シュードウリジン / 転写後修飾 / 翻訳 |
Outline of Annual Research Achievements |
mRNA配列中に天然に存在するシュードウリジン(Ψ)の役割は知られていないが、終止コドン内のウリジン(U)を人為的にΨに置換するとアミノ酸コドンに変化することが知られている。一方、細胞内の一部のmRNAの特定部位におけるΨ化が報告されているが、アミノ酸コドン中に生じたΨの作用は知られていない。そこで、mRNAの特定部位にΨを導入し、その翻訳産物におけるアミノ酸置換を調査した。 Ψ化の影響を調査するモデルとして、配列中にはΨ化部位が報告されているアミロイド前駆体タンパク質(APP)mRNAを選んだ。APP mRNAの塩基配列中で、コドン435「UUC」の第2塩基がΨ化を受けると報告されている。本来フェニルアラニンをコードするUUCがΨ化によりUΨCになるとアミノ酸コードが変化するのではないかと考え、以降の実験を計画した。人工mRNAの3’側断片は、コドン435のΨ化部位から始まりFLAGタグコード配列・終止コドンと続くよう設計し、委託合成した。これと、in vitro転写により調製した5'側断片を連結し、全長mRNAを得た。 調製したmRNAから、小麦胚抽出物無細胞翻訳系を用いて24℃, 24時間の翻訳反応を行い、生じたタンパク質産物を免疫沈降により精製した。得られたタンパク質試料についてMALDI-TOFによる質量分析を行った結果、未修飾mRNAの翻訳産物と同じ位置にピークを示し、分子質量はもΨ化部位を含むコドン435がフェニルアラニンをコードした場合の計算分子量9193.04とほぼ一致した。すなわち、APP mRNAのコドン435がUUCからUΨCに変化しても、コードされるアミノ酸はフェニルアラニンのまま変化しない可能性が示された。すなわち、UUCからUΨCへの修飾はコードするアミノ酸に変化を引き起こさない可能性が示された。
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