2015 Fiscal Year Research-status Report
ヘテロ受容体カップリングのシグナル特性と人工リガンド創成の研究
Project/Area Number |
15K14473
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 邦夫 金沢大学, がん進展制御研究所, 教授 (90201780)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | HGF / MET / 特殊環状ペプチド / 細胞増殖因子 / チロシンキナーゼ / 受容体 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞増殖因子は発生、再生、発がんとその悪性進展など様々な生理過程に関与する。私達はHGF(肝細胞増殖因子)とMET/HGF受容体の生理機能の研究において先導的な研究を進めてきたが、MET受容体について、1)EGF受容体からMet受容体のtransactivationが起こること、2)インスリン受容体とMET受容体が複合体を形成してシグナルを伝えることで強固で最適なインスリン応答性が与えられることが報告されている。私達も腎尿細管上皮管腔形成においてMETの活性化がRETとIGF-IRのtransactivationを誘導するという結果を得ている。METもRETも腎尿細管形成に重要な遺伝子であることがノックアウトマウスの結果から示されている。このように、異なる細胞増殖因子受容体間の活性化が強固で最適な生物活性(インスリン応答性や形態形成など)を誘導する可能性が示唆される。しかしながら、異なる細胞増殖因子受容体の同時的活性化が強固で特徴的な生物活性につながるかどうかについて、ほとんど研究されていない。一方、細胞増殖因子受容体同士を人為的に2量体化することで、異なる(ヘテロ)細胞増殖因子受容体の同時的活性化が強固で特徴的な生物活性につながるかどうかを調べることが可能と考えられた。本研究では、いくつかのヘテロ受容体カップリングを誘導し、それぞれの受容体が活性化し得るか探索し、両受容体が活性化される場合については、下流のシグナル伝達や細胞応答を評価するとともに、特徴的で協力な細胞応答が検証された場合には、同定された受容体に対するペプチド性人工リガンドを創製することを目的とする。本年度、MET受容体に結合する環状ペプチドをダイマー化し、METの2量体化とそれによるMET活性化を引き起こす人工リガンドに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
へテロ受容体の人為的誘導を検討しているが、ヘテロ2量体形成によって、強力な活性化が認められる組合せに至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きヘテロ2量体形成によって、強力な活性化が認められる受容体組合せを検討する一方、MET活性化をもたらす人工リガンドを創製することに成功したことをふまえ、再生促進の実験動物での検証のため、マウス細胞でのMET活性化を引き起こす人工リガンドの創製を進める。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Non-small cell lung cancer cells acquire resistance to the ALK inhibitor alectinib by activating alternative receptor tyrosine kinases.2016
Author(s)
Isozaki H, Ichihara E, Takigawa N, Ohashi K, Ochi N, Yasugi M, Ninomiya T, Yamane H, Hotta K, Sakai K, Matsumoto K, Hosokawa S, Bessho A, Sendo T, Tanimoto M, Kiura K.
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Journal Title
Cancer Research
Volume: 76
Pages: 1506-1516
DOI
Peer Reviewed
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