2015 Fiscal Year Research-status Report
LOVドメインを用いたプロテインキナーゼ光制御系の構築
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15K14479
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
徳富 哲 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90142009)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フォトトロピン / 青色光受容体 / セリン/スレオニンキナーゼ / 活性光制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の光屈性などの青色光受容体であるフォトトロピン(phot)は、光によって活性制御されるプロテインキナーゼである。このphotキナーゼの光による活性制御機構を応用して、プロテインキナーゼΑ(PKΑ)活性のin vitro光制御系を作ることを目的としている。photはN-末端側にLOVとよばれる光受容ドメインを二つもち、C-末端側はセリン/スレオニン・キナーゼ(STK)となっており、青色光によりその活性が制御される。申請者らの研究などにより、1) C-末端セリン/スレオニン・キナーゼはconstitutiveな活性をもつこと、2) LOV2がphotキナーゼの阻害ドメインとして機能し、光によりこの阻害が解消されキナーゼが活性化される、つまりLOV2が光スイッチの役割を果たすこと、3) その際に、キナーゼ活性制御に関わる主要な分子構造変化はLOV2とキナーゼドメインの間のヒンジ領域に起こり、活性化には特にLOV2のC-末端側に存在するJα-ヘリックスの光反応によるアンフォールディングが重要で、これによりLOV2コアからJα-ヘリックスが解離してキナーゼ活性阻害が解消することなどが分かっている。 昨年度は上記のJα-ヘリックスの構造変化を応用したSTK活性光制御系の開発を試み、60%程度の阻害効率を示すタンパク質の作製を得ている。これ以外に新たにキナーゼ活性制御にLOV2ドメインコアのN-末端側に存在する短いA’と呼ばれるα-ヘリックスとLOV2との間のGAPが活性制御に重要な働きを示すことを見つけた(雑誌論文PLOS ONE, 2015参照)。さらにJαへリックスのC-末端側、キナーゼドメインとの間に小さい2つのα-ヘリックスをもつモジュール(LAMと命名)が存在し、これがキナーゼ活性制御に重要な役割を果たすことも見つけた(雑誌論文FEBS Lett, 2015参照)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は「PKA活性の光制御系の作製」目指して、2種類の高効率PKΑキナーゼ活性光制御系の開発を行う予定であった。1番目はシロイヌナズナphot2のLOV2とそのJα-ヘリックスのC-末端に、PKΑの活性阻害ペプチドであるPKIを結合したタンパク質(LOV2-Jα-PKIタンパク質)を作製し、光照射にともなうJα-ヘリックスの構造変化によりPKIをPKΑと相互作用させて活性阻害を引き起こす、というものである。2番目はPKIをLOV2-Jα-ヘリックスの間に挿入して(LOV2-PKI-Jαタンパク質)、同様な光によるPKAの活性阻害を引き起こす系である。生体系への応用を考慮して、90%以上の阻害効率を示すタンパク質の作製を目指したが、この内2番目で約60%の阻害を示す系を得ていたが、1,2の系を用いて様々実験を行ったがそれ以上の改善は見られず目標の90%には届かなかった。しかし実績概要で述べた様に、新たにphotキナーゼの光制御に関する重要な2つの知見を得て論文発表したことは、今後の研究を進める上で大きな成果であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も平成27年度で目指したより高効率なキナーゼ活性の光阻害を示す系を、上記2種類のコンストラクトを用いて作製することを継続して行う。さらに平成27年度に新たにLOV2ドメインコアのN-末端側に存在する短いA’α-ヘリックスとLOV2との間のGAPが活性制御に重要な働きを示すことを見つけたので、この点を考慮して新たにして、A’α-ヘリックス-LOV2- Jα-ヘリックス-PKIのコンストラクトによる光制御機構の追求も行う。
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[Journal Article] Time-Resolved Fluctuation during the Photochemical Reaction of a Photoreceptor Protein: Phototropin1 LOV2-Linker.2016
Author(s)
1) Kuroi, K., Sato, F., Nakasone, Y., K., Zikihara, Z., Tokutomi, S. and Terazima, M.
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Journal Title
Phys. Chem. Chem. Phys.
Volume: 18
Pages: 6228-6238
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Reconstitution of initial steps of phototropin signaling in stomatal guard cells.2016
Author(s)
2) Takemiya, S., Doi, A., Yoshida, S., Okajima, K., Tokutomi, S. and Shimazaki, K.
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Journal Title
Plant Cell Physiol.
Volume: 57
Pages: 152-159
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Pressure-sensitive Reaction Yield of the TePixD Blue-light Sensor Protein.2015
Author(s)
Kuroi, K., Okajima, K., Ikeuchi, M., Tokutomi, S., Kamiyama, T. and Terazima, M.
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Journal Title
J. Phys. Chem.
Volume: 119
Pages: 2897-2907
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The effects of phytochrome-mediated light signals on the developmental acquisition of photoperiod sensitivity in rice.2015
Author(s)
Yoshitake, Y., Yokoo, T., Saito, H., Tsukiyama, T., Quan, X., Zikihara, K., Katsura, H., Tokutomi, S., Aboshi, T., Mori, N., Inoue, H., Nishida, H., Kohchi, T., Teraishi, M., Okumoto, Y. snd Tanisaka, T.
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Journal Title
Scientific Rep.
Volume: 5
Pages: 7709
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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