2015 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラ膜接触部位微小空間におけるイオン濃度のリアルタイム測定法の確立
Project/Area Number |
15K14488
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (00294124)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膜接触部位 / カルシウムセンサー / pHセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
膜接触部位(membrane contact sites; MCS)は、2つの異なったオルガネラが非常に接近 (10nm~30nm)した部位のオルガネラ膜およびそれに挟まれる微小空間であり、オルガネラ間のカルシウムイオンや脂質の効率的な輸送を行うことで、代謝・シグナリングのオルガネラ間コミュニケーションという重要な機能を果たしていると考えられている。MCSは、微小空間が故に、その空間内のイオン濃度の変化は、細胞質などに比べはるかに大きくその変化がMCSの機能に密接に関連していることが推測される。しかしながら、これまでMCSでの様々なイオン濃度の変化についての報告例はない。当応募課題は、オルガネラ間コミュニケーションの動態を明らかにするためにMCS微小空間における様々なイオンの濃度変化をリアルタイムにin vivoで測定できる系を確立する事を目的とした。当初の計画のイオン測定合成蛍光プローブの作製はうまくいかなかったので、イオン感受性蛍光タンパク質をMCSに局在させることを試みた。多くの既知のカルシウムイオン感受性蛍光タンパク質はpHの変動に強く影響されるので、MCSでの使用は困難であると考え、pH変動に比較的抵抗性のエクオリン蛋白質を用い蛍光タンパク質GFPとのFRETキメラセンサーを作製した。また、pHの測定のために、pH感受性蛍光タンパク質pHluorinを用いた。これらのセンサー蛋白質(レシオメトリック緑色)とFRBとの融合タンパク質を一方のオルガネラに、FKBPと赤色蛍光タンパク質の融合タンパク質をもう一方のオルガネラに発現させ、ラパマイシンを添加することで強制的にMCSを形成させた。赤色蛍光タンパク質と緑色センサーとの共通部位をMCSと定義し、さまざまな刺激(ATP、ヒスタミンなど)でイオン濃度が細胞質とMCSでどのような挙動を示すか、現在測定・検討中である。
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Research Products
(3 results)