2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of blastocoel fluid components and its function in early development
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15K14521
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
近藤 真理子 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (70372414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 秀治 広島大学, 両生類研究センター, 特任准教授 (90447318)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アフリカツメガエル / 胞胚腔 / 初期発生 / プロテオーム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
後生動物の初期胚における胞胚腔の役割は未だ不明である。本研究では、胞胚腔が細胞増殖や胚の組織間の情報伝達の場となっているのではないかという仮説を立て、アフリカツメガエル胚を用い、胞胚腔液に含まれる成分の同定とそれらの遺伝子オントロジー解析によって、検証することを目的とした。胞胚腔液のタンパク質の構成を質量分析とアフリカツメガエルのゲノム情報を用いて解明することは前例がなく、胞胚腔の役割と機能の解明にせまることは大変意義がある。 そこで、最終年度までに検討した方法で胞胚腔液を採取し、基礎生物学研究所の重信博士のグループの協力を得て、胞胚腔液に含まれるタンパク質をLC-MSで解析したところ、複数のタンパク質の存在が予測された。その中には卵黄成分の前駆体タンパク質がみられたことから、完全に細胞の混入は防げなかったことが予測された。他には、セロトトランスフェリンなど鉄の恒常性に関与するタンパク質、トリプシンやロイシンアミノペプチダーゼなどタンパク質の分解に関わる分子が同定された。後者のタンパク質が見つかったことは、胞胚腔がタンパク質の分解の場になっている可能性を示唆している。一方、シグナル伝達に関わるリガンドタンパク質は同定できず、胞胚腔がリガンドの通り道の場として機能するという申請者の予想(仮説)を支持するデータは得られなかった。まだ機能未知のタンパク質が数多く同定されたため、今後、それらを詳しく調べる必要があると考えられる。さらに、発生の途中で不要となった細胞がアポトーシスをおこし、それを処理する場として胞胚腔が使われるとすると、本解析でケラチン、E3ユビキチンリガーゼ、エノラーゼなど細胞内で機能するタンパク質も同定されることが説明できる。胞胚腔液に濃縮されて存在するタンパク質を同定するための解析が必要であると考えられる。
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Research Products
(5 results)