2016 Fiscal Year Research-status Report
形態形成の全自動数値解析法の開発と神経細胞のキラル構造形成とらせん運動への適用
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15K14522
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
玉田 篤史 新潟大学, 研究推進機構, 准教授 (60270576)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リース変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
形態形成機構を研究する際には、細胞の形態変化を解析する作業が必要不可欠であるが、細胞の形態と運動を正確に自動的に定量する手法は未だ存在せず、不正確で面倒なマニュアル作業を強いられているのが現状である。本研究では、細胞の3次元タイムラプスイメージング画像から細胞の立体構造および直線・回転運動を全て漏らさずに全自動で数値化して定量的に解析する方法を開発することを目的としている。また、この手法を神経細胞に適用し、神経突起のキラルな伸長パターンと成長円錐のらせん回転運動を完全に計測・解析することを目指している。本年度は昨年度に引き続いて、リース変換法を用いて陰影を取り除いて蛍光像のような輝度画像を得る手法に改良を加えた。これまでは2次元画像に対してリース変換が有効であることを示してきたが、これをこのまま3次元画像に適用すると変換された輝度が3次元的に拡散するためにもぼけた画像になると言う欠点があった。そこで、蛍光画像のぼけ除去に用いる3次元デコンボリューション法をリース変換後の輝度画像に施したところ、ぼけを大幅に除去できて、高精度の画像を復元することに成功した。リース変換とデコンボリューションを組み合わせて、成長円錐の3次元タイムラプスイメージングを行った。これにより、低光毒性で高解像度の微分干渉顕微鏡観察法により、脆弱で動きの激しい成長円錐の構造変化様式を昨年度よりも詳細に捉えることに成功した。現在、成長円錐の構造を構造(輝度勾配)テンソルを用いて表現する方法、成長円錐の運動パターンを光学フローにより推定する方法を開発中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回、デコンボリューション法を適用することで、当初予想していたよりも高解像度で画像を復元することに成功した。画像の解析に関しては、構造テンソルと光学フローの手法を確立しつつある状況にあるので、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、開発した個々の技術を統合して、細胞の形態と運動を数値的に解析する技術を開発し、研究成果としてまとめて外部に発表する予定である。
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Causes of Carryover |
研究支援者雇用の経費のうち、H29年3月分93,296円がH29年4月に支給されるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H29年4月に上記の経費93,296円が支出される予定。
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Research Products
(1 results)