2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K14533
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
藤森 俊彦 基礎生物学研究所, 初期発生研究部門, 教授 (80301274)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ほ乳類 / 着床 / 発生休止 |
Outline of Annual Research Achievements |
外界の環境変化に応じて発生途上の胚が一旦発生を休止し、その後条件が整うと発生を再開する現象が様々な動物で知られている。マウスにおいて、この発生休止を誘発するトリガーを同定することが本研究の目的である。実験的には、受精後卵巣を除去し、プロジェステロンを投与することで発生休止を誘導することが可能である。まず、発生休止誘導後にどのような時間経過をたどり発生休止状態が維持されているかを解明している。 発生休止誘導直後には、細胞層によらず細胞周期がS、M期にある細胞がみられ、同時に細胞数の増加もみられることから細胞周期が回っていることが示唆された。休止後3日目になると、細胞周期マーカーで観察すると、一部にS、M期にある細胞がみられ、細胞数もやや増加していた。さらに休止期間を長くした場合には、SまたはM期にある細胞が見られなくなり、細胞周期が停止したことが示唆された。これらのことから、発生休止状態の胚では徐々に細胞周期が長くなり、やがて細胞数の増加が見られなくなることが判明した。一方で、これらの休止胚を偽妊娠マウスに移植すると、胚発生を開始し、正常な胚が形成された。更に、発生休止状態においてもエピブラスト、原始内胚葉、栄養外胚葉の各マーカー遺伝子は発現していることが明らかとなった。発生休止中の胚の維持にLIFが関与する可能性を検証する為にリン酸化STAT3の抗体染色を行ったが、正常な胚盤胞と発生休止胚では明らかな差は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は解析を担当している研究者の体調不良により、十分な数の実験を進めることが困難であった。その為予定していた状況に比べて研究の進捗は遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定していた項目について研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
実験を担当する研究者の体調不良により遅延したため、予定されていた実験を十分に遂行できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度予定していた実験が遅延した為、本来予定していた実験を遂行するための予算執行を行う。実験に必要な動物、解析用試薬等の購入に充てる。
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