2016 Fiscal Year Research-status Report
リン酸化プロテオミクスによるフォトトロピンの新奇リン酸化基質の同定
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15K14552
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
武宮 淳史 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (80448406)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | プロテオーム / シグナル伝達 / フォトトロピン / 青色光 |
Outline of Annual Research Achievements |
フォトトロピンは青色光の受容体により活性化される受容体キナーゼであり、植物の成長制御に関わる多様な光応答を制御する。しかし、フォトトロピンによりリン酸化される基質タンパク質の実体については不明な点が多い。本年度は、昨年度行ったリン酸化プロテオーム解析から青色光に依存してリン酸化されるタンパク質として同定された因子の中から、フォトトロピンによりリン酸化される基質候補タンパク質の絞り込みを行った。具体的には、フォトトロピンのキナーゼドメインを用いたin vitroキナーゼアッセイにより、フォトトロピンによって直接リン酸化される因子の解析を進めた。まず、各因子の全長領域をGST(グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)と融合し、大腸菌にて組換えタンパク質を作製した。次にこれらのタンパク質をphot1キナーゼドメインと32P-ATP存在下で反応させ、phot1キナーゼによるリン酸化をオートラジオグラフィにて検出した。その結果、複数の因子についてリン酸化反応が認められた。次に検出されたリン酸化反応が確かにphot1のキナーゼ活性に依存しているかを確認するため、phot1のキナーゼ活性を失った変異型タンパク質(D806N)を用いて同様のリン酸化アッセイを行い、phot1キナーゼに依存したリン酸化反応の精査を行った。現在、アミノ酸置換の手法を用いて、in vitroでphot1キナーゼによりリン酸化された部位がin vivoで同定された部位と同一であるかを調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
phot1キナーゼを用いたin vitroキナーゼアッセイにより、フォトトロピンの基質候補の絞り込みが進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はin vitroキナーゼアッセイの残りを進めるとともに、フォトトロピンによるリン酸化部位がin vivoで検出されたリン酸化部位と同一であるかを確認する。また、当該因子の機能欠損株を入手し、光応答の表現型を詳しく解析する。
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Causes of Carryover |
研究機関の異動により研究ができない期間が生じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究員を雇用する経費として使用する。
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Research Products
(6 results)