2017 Fiscal Year Research-status Report
リン酸化プロテオミクスによるフォトトロピンの新奇リン酸化基質の同定
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15K14552
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
武宮 淳史 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (80448406)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | プロテオーム / シグナル伝達 / フォトトロピン / 青色光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、青色光受容体キナーゼであるフォトトロピンの新奇リン酸化基質を同定することである。これまでにシロイヌナズナの黄化芽生えを対象としたリン酸化プロテオーム解析から、青色光・フォトトロピンに依存してリン酸化されるタンパク質を多数同定することに成功している。本年度は昨年度確立したフォトトロピンキナーゼを用いたin vitroキナーゼアッセイ系により、フォトトロピンによって直接リン酸化されるタンパク質の絞り込みを継続して行った。大腸菌の発現系を用いて組換えタンパク質を作製し、同じく大腸菌にて作製したフォトトロピンキナーゼ領域と32P-ATP存在下で反応させ、オートラジオグラフィによりリン酸化を検出した。これまでに全ての解析対象について組換えタンパク質の作製を試み、大部分のタンパク質についてはタンパク質を作製することができた。全長タンパク質の作製が困難であったものについては、リン酸化部位を含む断片タンパク質を作製し解析に用いた。その結果、フォトトロピンによってリン酸化される複数のタンパク質を同定することに成功した。さらにin vivoで検出されたリン酸化部位をアラニンに置換した変異型タンパク質を用いて同様のリン酸化アッセイを行ったところ、フォトトロピンによるリン酸化が見られないものが見出された。これらはこれまでフォトトロピンシグナル伝達への関与が全く報告されていない因子で、フォトトロピンの新奇リン酸化基質である可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vivo、in vitroにおけるリン酸化アッセイを完了し、フォトトロピンによってリン酸化されるタンパク質を複数同定することができた。これらは当初の目的であるフォトトロピンの新奇リン酸化基質である可能性が高いため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究により見出されたフォトトロピンの新奇リン酸化基質候補について、シロイヌナズナの機能欠損変異体を用いて青色光応答を詳しく解析する。また、アミノ酸置換の手法を用いてリン酸化の機能的意義を解析する。
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Causes of Carryover |
研究期間内に大学のキャンパス移転と研究機関の異動があり、研究ができない期間が生じたため、試薬購入費として計上していた物品費が残った。タンパク質のリン酸化を含む生化学実験に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)