2015 Fiscal Year Research-status Report
どうして「透けて」見えるのか?-透明な動物の作製に向けて-
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15K14564
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Research Institution | Okazaki Research Facilities, National Institutes of Natural Sciences |
Principal Investigator |
宮成 悠介 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 特任准教授 (60469608)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光や発光など「可視光」を利用したバイオイメージング技術の発展により、生体内での様々な生命現象をモニターすることが可能となった。しかし、ほとんどの生体組織は不透明であるため、その深部を観察するのは困難である。不透明な組織を透明にすることができれば、医療診断や基礎医学に広く応用できると考えられる。そこで、生きた透明生物の作出を目指して、本研究では透明な生物がどうして透明に見えるのかのメカニズムを明らかにする。当初、透明な生物のモデルとしてうなぎや穴子の幼生であるレプトケファルスを研究対象とする予定であったが、本年度は漁業不漁のため、予想していたように実験資料を入手することができなかった。少ないながらも、入手できたレプトケファルスの核内構造を解析するために、試料をホルマリン固定し、パラフィン包埋したサンプルを準備した。組織切片を作成したのちに、DAPI染色によりクロマチン構造を可視化した。組織が透明ではない生物のコントロールとしてマウスの肝臓組織も同様に切片を作成し、クロマチン構造を解析した。現在、組織の透明性とクロマチン構造との関連性の有無を解析している。また、ヘテロクロマチンの指標であるH3K9me3修飾の核内局在を免疫染色によって解析しており、ヘテロクロマチンが核内のどの部分に局在するかを解析している。漁獲不漁による実験の滞りを回避するために、レプトケファルス以外の透明生物を研究対象とすることを検討している。現在のところ、海水ではなく淡水小型魚類を候補に挙げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不漁のため、実験資料の採取が効率よくできなかったが、少ない実験資料を使って組織解析をおこなった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、クロマチン構造と組織の透明性について解析をおこなう。
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Causes of Carryover |
232168円分の物品のオーダーは年度末におこなったが、会計処理が4月以降となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分子生物学試薬等の購入に使用する。
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