2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study of morphological plasticity of parasitc isopod curstaceans
Project/Area Number |
15K14596
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
下村 通誉 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (30359476)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 寄生性 / 甲殻類 / 等脚類 / ヤドリムシ類 / アミヤドリムシ類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は生物の宿主と寄生虫の関係で宿主の寄生部位の空間的制限によって寄生虫の形態は可塑的に変化するのかを明らかにすることである。具体的にはエビ・カニ類など甲殻類に寄生する等脚目甲殻類ヤドリムシ類を材料に用いて分類学的・系統学的研究の他、飼育実験や行動観察を行う。これまで宿主の種が異なれば種が異なるという先入観により別種とされてきた種が存在するか確認を行うものである。 最終年度である今年度は不足分の標本の採集調査を行うと共に空間制限に関する考察と議論に時間を割いた。採集調査は広島大学附属練習船豊潮丸による瀬戸内海から南西諸島の調査航海へ参加し、多数のエビヤドリムシ類、アミヤドリムシ類を得た。調査はドレッジやスキューバダイビングによる底質サンプルの採集により行われた。宿主側の寄生空間の形態計測やエビヤドリムシ類とアミヤドリムシ類の形態観察を行った。また、南西諸島では生きた状態での観察を行った。研究協力者と標本調査を行い、寄生性等脚類についての議論を行った。特に宿主の閉鎖的な環境(鰓腔内やヤドカリ類に寄生する群では貝殻内など)に寄生する群では寄生虫の宿主側に面する形態は強く制限を受けることが確認できた。一方でアミヤドリムシ類のように宿主の開放的な外部(胸部上や腹部上など)に寄生する群では球形や紡錘形に近い形となり、空間的な制限を受けないことが確認できた。一方で調査中多くの未記載種と考えられる寄生性等脚類と宿主候補の甲殻類が得られた。これらについて形態学的な研究と生活史の解明を進め、それらの内のいくつかは学会や論文にて発表を行った。
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Research Products
(3 results)