2015 Fiscal Year Research-status Report
シアノバクテリアの持つロドプシンの機能解析:彼らは光をどう使い分けるのか?
Project/Area Number |
15K14601
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉澤 晋 東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (00553108)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 海洋生態 / 細菌 / ゲノム / 系統進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物は太陽光エネルギーをどのような機構で化学エネルギーに変換しているのか?次世代シーケンサーの登場により機能未知光受容体配列(ロドプシン)が爆発的なスピードで蓄積する近年において、その利用機構はこれまで考えられていた以上に多様であることが分かってきた。本研究では、シアノバクテリアの持つ機能未知ロドプシンの機能と生理的役割を解き明かすことで、これまで考えられてこなかったクロロフィルとロドプシンの2つの光エネルギー利用機構がどのように「機能」および「光の色」の使い分けを行っているのかを明らかにすることを目的としている。 H27年度は、昨年度までの研究で見出したシアノバクテリアの持つ機能未知ロドプシンの機能解析を大腸菌による異種発現系を用いて実施した。その結果、これまでに知られていない系統群に属する光駆動型の陰イオン輸送ポンプであることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度の研究で、シアノバクテリアの持つ機能未知ロドプシン1配列の機能を明らかにすることに成功したため。具体的には、分子系統解析及びアミノ酸配列などから機能が推定できないロドプシン遺伝子の異種発現解析を実施し、シアノバクテリアの持つ新規ロドプシンが光駆動型の陰イオンポンプであることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、複数のシアノバクテリアロドプシン遺伝子の機能解析を進めるとともに、精製したロドプシンタンパク質の詳細な分光解析を行う予定である。 またシアノバクテリア野生株のロドプシン遺伝子欠損株の作成を試み、ロドプシンがシアノバクテリア生理性状に与える影響の解明も試みる。
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Causes of Carryover |
実験補助作業を行う研究員の雇用が当初予定よりも大幅に遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越費用は、次年度以降の人件費に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)