2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム・エピゲノム情報の統合を通した作物の減数分裂期組み換え位置の特徴解明
Project/Area Number |
15K14633
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Research Institution | 国立研究開発法人農業生物資源研究所 |
Principal Investigator |
土生 芳樹 国立研究開発法人農業生物資源研究所, ゲノム機能改変研究ユニット, 主任研究員 (80266915)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 減数分裂期組み換え / エピゲノム / イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
動物においてエピゲノムの状態が減数分裂期組換えの位置や頻度に影響することが報告されている。イネにおける組み換え位置制御の仕組みを明らかにすることで、交配育種の加速に寄与できる可能性がある。これまでに減数分裂期組み換え位置推定精度の向上を目的として、イネのジャポニカ(日本晴)xインディカ(カサラス)亜種間交配のF1個体を取得し、親系統とともに次世代シーケンサーを用いたゲノム全域のDNAメチル化状態解析(BS-seq解析)、ヌクレオソームおよび特定クロマチン修飾状態の分布解析(ChIP-seq解析)を行っている。今年度、SNP情報に加えて日本晴・カサラス間のInDel情報を取り入れた解析を行い、ゲノム全体で7,214か所の組み換え位置を検出した。平均の領域サイズは81 k bとかなり広いが、10 kb以内に候補領域が狭められた組み換え位置は1,219か所(全体の16.9%)、2 kb以内に狭められた領域は97か所(全体の1.3%)、100 bp以内に狭められた領域は16か所(全体の0.2%)だった。2 kb以内に候補領域が狭められた組み換え位置について、ゲノム情報(遺伝子・反復配列などとの位置関係)および昨年までに取得したエピゲノム情報(ヌクレオソーム密度、ヒストンH3K9me2密度、DNAメチル化率)との関係をブラウザで可視化した。エピゲノム状態維持に関わる因子の機能を欠損したイネ系統について、今年度Molecular Plant誌に論文発表を行った。
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