2015 Fiscal Year Research-status Report
ダイズの耐湿性に関与する根形質の網羅的評価とゲノムワイド・アソシエーション解析
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15K14640
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
望月 俊宏 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (60239572)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ダイズ / 嫌気耐性 / 根系 / ミニコアコレクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,ダイズミニコアコレクションを供試し,水耕栽培下における好気条件および嫌気条件が根系質に及ぼす影響と嫌気耐性の系統間差を評価した. 生物資源研究所より配布されたダイズミニコアコレクション158系統およびその他ダイズ5系統の計163系統を供試した.播種後6日目のダイズ幼苗に対して,嫌気区では溶存酸素濃度 1.0 mgL-1以下に調整した0.1%寒天溶液を用いて嫌気処理を施し,好気区では蒸留水に大気をバブリングし,7日間の水耕栽培を行った.処理開始時および終了時に根形質を測定し,処理期間中における各形質の変化量を算出した.また,根形質の調査後,地上部および地下部乾物重を測定した.実験はグロースチャンバー(140 μmol m-2 s-1, 14 hr light/10 hr dark, 23°C)内で,3-6反復行った.この結果から二元配置分散分析および主成分分析によって嫌気耐性を評価した. その結果、好気区に対して嫌気区では,根長増加量,根表面積増加量,根体積増加量,地下部乾物重は有意に減少し,平均根直径,地上部乾物重は有意に増加した.また,地上部乾物重を除く全ての形質で交互作用(系統×処理)が認められた.主成分分析の結果,第一主成分は植物体の大きさを示し,第二主成分は嫌気耐性を示した.主成分得点により,植物体の大きさ(大/小)および嫌気耐性(高/抵)に基づいてミニコアコレクションを4つのグループに分類したところ,それぞれのグループと原産地の間に関連が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
提供されたダイズ・ミニコアコレクション158系統のすべてについて嫌気耐性の評価を終え,グループ化するとともに,原産国別に特徴付けることが出来た
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果をもとに,今後公開される予定のSNP情報によって,アソシエーション解析を実施する.
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Causes of Carryover |
当初人件費を計上していたが,年度末(2月)まで雇用実績が無かったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度当初より実験補助員を雇用予定.
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Research Products
(1 results)