Heat-induced rice spikelet sterility associated with stomatal response

2016 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15K14644
• Research Institution: National Agriculture and Food Research Organization
• Principal Investigator: 羽方 誠 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター 水田作研究領域, 研究員 (80450336)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 和田 博史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター 水田作研究領域, 主任研究員 (40533146)
• Project Period (FY): 2015-04-01 – 2017-03-31
• Keywords: 高温不稔 / イネ / 葯 / 気孔 / マイクロアレイ解析 / 開花期

Outline of Annual Research Achievements

本課題は大気飽差の変化に伴った葯気孔開閉と葯の裂開との関連性について、構築した仮説を検証し、高温不稔耐性付与の育種方向を提示する。
葯表皮の気孔の局在性を調べるため、出穂期に固定処理した葯を化学処理した上でノマルスキー微分干渉顕微鏡による観察を行った。耐性品種、感受性品種を含む複数品種の気孔数を測定したところ、品種間差が存在し、気孔数と高温不稔耐性には高い相関が見られた。高温処理した高温不稔耐性品種（N22）、感受性品種（コシヒカリ）、対照品種（日本晴）の葯・花糸の遺伝子発現をマイクロアレイで比較解析した。その結果、品種により反応性に違いがあるものの全品種ともに葯において乾燥や浸透圧ストレスの防御に関与するLEAや葯・花糸では熱ストレスの防御に働くHeat shock proteinが高発現していた。また、N22でのみ細胞膜の水透過率の制御に関与するAquaporinの発現が上昇していることも判明したことから、耐性に関与している可能性が示唆された。ジャスモン酸に関与する転写因子などの発現上昇も確認でき、昨年度の実験結果が再現された。