2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K14657
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
梶山 博司 徳島文理大学, 理工学部, 教授 (80422434)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 淳史 徳島文理大学, 理工学部, 講師 (10389174)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 光合成 / LED / 連続光源 / パルス光源 / 植物工場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、光合成の光化学反応の進行過程と光照射タイミングを合致させることで、無効となる光量子数を低減し、植物工場の省エネルギー化を促進することである。そのため、クロロフィルaの吸収率が高い青色(400-480nm)、赤色(600-700nm)のパルス光源を開発し、赤色、青色のパルス照射タイミングを独立制御することで、光化学反応促進に必要な光照条件を明らかにする。得られた成果を、栄養価の高い食用植物、薬効が大きい薬草の植物工場栽培に展開する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LEDによる連続項照射に替わって、発光時間1μsの青色(450nm)のパルス光源を開発し、パルス間隔と成長速度の関係を明らかにした。その結果、茎長速度はパルス間隔が200μsの時最大になること、光利用効率はパルス間隔250μsの時に最大になることを明らかにした。サラダ菜における光合成の1サイクル時間は不明であるが、以上の結果から、1サイクル時間はおよそ200μsであることを示唆している。パルス間隔が短いときよりも長い方が成長速度が大きいという結果は、光吸収により発生した還元力の高い電子による化学反応連鎖が完了する前に吸収され得た光量子は、光合成には有効に利用されない事を示している。以上の結果から、光量子利用効率を大きくするためには、光合成反応時間に同期した短パルス光照射が有効であることを明らかにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
中心波長660nmのパルス発光光源を開発し、青色(450nm)、緑色(550nm)、赤色(660nm)のパルス発光光源を開発する。開発した新光源をもちいて、成長速度に及ぼす各色のPPFDとパルス間隔と影響を定量化する、LED光源とパルス光源で栽培したサラダ菜のビタミンCを比較して、パルス光照射と連続光照射による栄養価を評価する。さらに、パルス光照射およびLED光源で成長速度が最大のときの消費電力を算出することで、パルス光照射が植物工場の省エネルギー化に効果があるかどうかを明らかにする。
|
Causes of Carryover |
赤色光源の開発が遅延したたため、そのための予算執行ができなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
青色のパルス光源購入のために予算支出をする。
|