2015 Fiscal Year Research-status Report
ニホンナシの花芽分化を誘導する要因の特定に向けた基盤の構築
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15K14659
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
森口 卓哉 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門カンキツ研究領域, 研究領域長 (80343945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 明子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門生産・流通研究流域, 上級研究員 (30355383)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 花芽分化 / ニホンナシ / TFL1 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回のRNA-seqに用いたサンプルは2012年度と2014年度の2カ年の芽で、花芽分化ステージは、分化前(0)、分化始まり(0.2)、分化中(2.0)に相当する。 各ステージとも、年度に関わらず1から10 Reads Per Kilobase of exon per Million mapped reads(RPKM) の発現量を示す遺伝子が最も多く、これに10から100 RPKMの発現量を示す遺伝子が続いた。わずかであるが、ADF3 (Acting depolymerizing factor) のように100 RPKM以上の発現量を示す遺伝子もあった。 ステージ0で特異的に発現している遺伝子の数が1764と最も多く、続いてステージ2.0であった。特徴的にはステージ特異的に発現している遺伝子よりも全てのステージで共通して発現している遺伝子の数が54059と非常に多いことであった。 各ステージに特異的な遺伝子の数をより具体的示すと、全体的にステージ0で発現している遺伝子数が他の2ステージよりも多かった。また、ステージ0.2や2.0で特異的に発現した遺伝子と特異的でない遺伝子数はほぼ同数であったが、ステージ0に特異的でない遺伝子数が特異的に発現した遺伝子数よりも明らかに多いことが特徴的であった。また、ステージ0、0.2、2.0にそれぞれ特異的な遺伝子として、例えばMYB113やACS(ステージ0)TCP9やNAC42(ステージ0.2)、AP1やCUC3(ステージ2.0)などが同定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3つの花芽分化ステージ、分化前(0)、分化始まり(0.2)、分化中(2.0)に相当するニホンナシの花芽について、2カ年分のサンプルを解析し、アノテーションすることが出来たことからおおむね順調に研究が進捗していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
同定した遺伝子から花成関係の遺伝子、植物ホルモンの代謝に関わる遺伝子を選抜して花芽分化期間中の発現解析を行う。また、遠赤色光により人為的に花芽を誘導する形を活用して、誘導をかけた芽での選抜した遺伝子の発現解析を行い、これら選抜した遺伝子の花芽化への関与の可能性について再検証する。
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Causes of Carryover |
論文での公表を見越して投稿料として確保していたが、さらにデータを付け加え、レベルを上げて公表することとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
追加データを効果的に得るため、契約職員を期間限定で雇用し、研究を加速化させる予定である。繰り越し金をその賃金に充当する。
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