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2015 Fiscal Year Research-status Report

タバココナジラミのPolA1遺伝子に特異的なsiRNAを用いた防除法の開発

Research Project

Project/Area Number 15K14669
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

中村 郁郎  千葉大学, 園芸学研究科, 教授 (50207867)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 井川 智子  千葉大学, 園芸学研究科, 助教 (00360488)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2017-03-31
Keywords害虫防除 / 形質転換 / siRNA / タバココナジラミ / HIGS / siRNA / VIGS
Outline of Annual Research Achievements

本研究では, 世界中の農業現場で問題となっている大害虫のタバココナジラミ (Bemisia tabaci) をモデルケースとして,Host Induced Gene Silencing (HIGS) を用いた防除法の開発を試みている.タバココナジラミには、殺虫剤に耐性を持つ系統が出現しており、殺虫剤を用いた防除が困難になってきている。一方、環境保全の観点から殺虫剤を用いない防除法の開発も求められている。
私達は、生物の種の分類法を探索する研究を進めてきたが、RNAポリメラーゼI の最大サブユニット (POLA1) の中に種に特異的なアミノ酸配列が含まれていることを発見した。POLA1タンパク質は、リボゾームRNA合成の中心的な役割を担っているので、タバココナジラミのPolA1遺伝子の種に特異的なアミノ酸配列をコードする塩基配列をsmall interfering RNA (siRNA) のターゲットにすることができれば、タバココナジラミのみを防除する方法を開発できる可能性がある。また、HIGSでは、宿主植物において病害虫の標的遺伝子のsiRNAを発現させることにより、病害虫の食餌の際に、siRNAが体内に取り込まれ、病害虫の標的遺伝子の発現が阻害できることが報告されている (Huang et al. 2006, Baum et al. 2007, Mao et al. 2007)。
本研究の目的は、タバココナジラミの種特異的なアミノ酸配列をコードするPolA1遺伝子の塩基配列を標的とするsiRNAを宿主植物のタバコで発現させることにより、タバココナジラミのみを特異的に防除する手法を開発することである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

データベースを検索し、タバココナジラミのPolA1遺伝子の塩基配列を同定した。次いで、タバココナジラミのDNAを抽出し、PCR法の鋳型DNAを調製した。タバココナジラミの種特異的なアミノ酸配列をコードする遺伝子断片を増幅するための1対のプライマーを合成し、PCR法により増幅したDNA断片をpCR8プラスミド (Invitrogen) を用いてクローニングした。クローン化したDNA断片 ( (Bt9: 502 bp) の塩基配列をダイレクト法により確認した。
Kumar博士の研究室でtobacco rattle virus (TRV) をベースに開発されたVirus induced gene silencing (VIGS)を誘導するためのpTRV2ベクターを入手し、タバココナジラミのBt9遺伝子断片を組み込んだ。このTRVシステムでは、pTRV1とともにタバコにアグロインフェクションするとBt9断片のdsRNAが合成され、宿主植物のDicer により siRNAが生成される。一方、タバコで、Bt9遺伝子断片のヘアピンRNAを発現するためのコンストラクトを構築した。CaMVの35S プロモーターの下流にBt9遺伝子断片を逆方向に連結したカセットをハイグロマイシンとカナマイシン抵抗性遺伝子を含むバイナリーベクターpEKH2に組み込んだ。得られたバイナリーベクターpEKH-Bt9をアグロバクテリウムEHA101系統に導入した。
構築したヘアピンRNA生成用のバイナリーベクターpEKH-Bt9を含むアグロバクテリウム法をタバコの葉片に接種し、カナマイシンを含む選択培地を用いてタバコの形質転換体を選抜したところ、6系統の形質転換体を作出することができた。

Strategy for Future Research Activity

タバコ形質転換体の接種試験:作出したヘアピンRNAを発現する形質転換タバコ系統を用いて、タバココナジラミを接種し、抵抗性を付与できるか検討する。タバココナジラミには、海外より侵入したバイオタイプBおよびQ系統が知られているが、特にQ系統は、薬剤抵抗性が強いことで知られている。そこで、BおよびQ系統を入手して、接種実験を行う。また、近縁種のオンシツコナジラミに対する抵抗性を付与できるか調査する予定である。
VIGSによる防除試験:ヘアピンRNAを発現する形質転換体を用いた接種実験に加えて、VIGSにより抵抗性を付与できるのか検討する。pTRV1およびpTRV2-Bt9をアグロバクテリウムに導入し、タバコの葉に擦り込んで一過的に発現させることにより、Bt9遺伝子断片のdsRNAを生成する個体を作出する。これらの個体にタバココナジラミ (B, Q系統)、オンシツコナジラミを接種して、防除効果を調査する。
siRNAの検出:ヘアピンRNAを発現する形質転換タバコを用いて、葉よりRNA画分を調製し,タバココナジラミに特異的なヘアピンRNAおよびsiRNAが生成されていることを確認する.また,予算に余裕があれば、RNAseq解析を行ない、接種したタバココナジラミの体内においてsiRNAが発現していることを明らかにしたい。

Causes of Carryover

予算オーバーしないように慎重に執行した結果、極少額の残金が発生した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

残金は、次年度の物品購入費として使用したいと考えている。

URL: 

Published: 2017-01-06  

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