2018 Fiscal Year Annual Research Report
A study of the regeneration from stem fragments of an invasive species, Alternanthera philoxeroides, development of its extermination methods, and utilization as a fertilizer
Project/Area Number |
15K14672
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高橋 秀典 東邦大学, 理学部, 准教授 (70318210)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナガエツルノゲイトウ / 特定外来生物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の実験材料は、特定外来生物に指定されている水生植物のナガエツルノゲイトウである。ナガエツルノゲイトウの茎は回収駆除の過程で容易に断片化して流失し、やがて芽・根を発生させ、漂着先で再び個体群を形成してしまう。このようにしてナガエツルノゲイトウは河川や水田等で繁殖域を広げ、日本のみならず世界で生態系および農水産業に悪影響を与えている。 平成30年度は実際の駆除に先駆けて、ナガエツルノゲイトウに対する除草剤の効果を検証した。検証では、薬剤が植物体(主に葉)の色や茎断片からの芽・根の発生といった外観に及ぼす影響だけでなく、葉での光合成活性とクロロフィル含量に及ぼす影響も調べた。研究は特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称、特定外来生物法)に則し、環境省から特定外来生物の飼養等の許可を受けて行った。 グリホサートイソプロピルアミン塩(以下、グリホサート)を標準(1x)濃度で含む処理区の他、10x、3x、0.3x、0.1x濃度の処理区と、コントロールとしてグリホサートを含まない処理区の、合計6つの処理区を設けた。各処理区でナガエツルノゲイトウの茎断片を連続明所・25℃の条件下で培養したところ、1週間後のコントロール茎断片では色の変化もなく、節部から芽と根の発生が観察された。これに対し、グリホサートを含む処理区ではいずれも培養開始1週間後には茎断片の白色化が見られ、芽・根の発生は2週間たっても確認できなかった。また、光合成活性、クロロフィル含量のいずれもコントロールでは培養前後でほぼ変化がなかったのに対し、グリホサート処理区では顕著な低下が見られた。
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