2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of super earthworms that enable production of biological medicine-Challenging to develop a novel host-
Project/Area Number |
15K14713
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
赤澤 真一 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (60379550)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミミズ / 形質転換法 / モデル生物 / バイオ医薬品 / 物質生産 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミミズを活用したバイオ医薬品生産工場の開発を目指し,本課題ではミミズの遺伝子工学技術の開発を目指してきた.本課題では2年間で,ミミズ形質転換効率の向上,新規形質転換法の開発,完全な組換え体を創出することを目的としてきた.平成27年度は形質転換体取得率の向上に主として取り組み,平成28年度は,引き続き形質転換効率の向上に取り組むと共に,全く新しい手法による形質転換法の開発及び完全体組換えミミズの創生に挑戦した. 形質転換時のエレクトロポレーション条件の最適化により,個体生存率は平成27年度の67%から88%にさらに向上したが,形質転換効率は19%から16%程度に落ち着いた.本結果より,さらなる形質転換効率向上にはもう一つの条件である組織再生時間が重要である事が示唆された.次に,エレクトロポレーションを用いない全く新しい形質転換法の構築に挑戦したが,現在までに成功に至っていない.また,完全体組換えミミズ創製に向けた研究において,尾部で構築した導入法を応用し,頭部の形質転換を試みたところ,一部に導入の形跡が見られたが,現在までに断定できる結果は得られていない.頭部組換え体は遺伝子導入したルシフェラーゼの活性測定までに約1ヶ月程度要し,非常に時間がかかる事から,今後も更なる継続研究が必要である. 成果発表としては,査読無し論文2報,招待講演1件,国際会議での発表1件,学会発表1件,展示会(イノベーションジャパン)での発表1件を実施した. 総括として,萌芽研究としてスタートした本研究は,チャレンジングな内容を多分に含みながらも,根幹であったミミズ形質転換効率の向上に成功し,成果は平成29年度基盤研究(C)の獲得に繋がった.従って,さらに研究を進めていく事により,ミミズを用いたバイオ医薬品生産工場開発の基盤を整備する.
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