2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on antioxidants with low pro-oxidant activity to stabilize proteins responsible for neurodegenerative disease.
Project/Area Number |
15K14723
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
黒川 洋一 福井県立大学, 生物資源学部, 講師 (40326088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 征爾 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (70633577)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | antioxidant / prooxidant / copper-induced oxidation / hydroxyl radical / superoxide dismutase / G6PDH / protein stability |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の神経疾患の原因蛋白質に対する酸化抑制能を持つ低分子化合物の探索を目的として、「低プロオキシダント性かつ高抗酸化性」抗酸化物質の探索と評価を行った。 抗酸化能を持つ既知化合物約400種類を対象として、銅イオン還元能、およびそれに依存したヒドロキシルラジカル発生能(プロオキシダント能)を系統的に評価し、プロオキシダントとしての性質を解明したほか、ルミノールの化学発光抑制効果、あるいはグルコース6-リン酸脱水素酵素(G6PDH)の酸化的失活に対する保護効果を指標とした抗酸化能を明らかとした。構築した低プロオキシダント性、かつ高抗酸化性化合物ライブラリーのうち、フェニルプロパノイドなどには、ルミノールの化学発光を70%以上阻害する効果が認められたが、G6PDHに対する保護効果は高々10%程度であった。対照的に、フラボノイド類にはG6PDHに対して80%以上保護効果を持つ物が多く認められた。そのうち、炭素中心ラジカル捕捉剤に比べて、金属イオンキレート能に基づくヒドロキシルラジカル発生抑制能を持つと推定される物の方がより低濃度でG6PDHを保護する効果を示した。また、fALS SOD1変異体発現マウス神経芽腫由来細胞 Neuro 2aにおける毒性緩和効果を評価したところ、セスキテルペンの一種に効果が認められた。 有望な化合物について、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD1)などに対する酸化的変性抑制効果を評価したところ、比較的単純な構造を持つフラボノイドと対比して、ポリメチル化フラボノイドにSOD1変性を部分的に抑制する効果が確認されたが、化合物の溶解性の問題が認められた。以上の結果は、本研究において構築した「抗酸化物質ライブラリー」が、蛋白質あるいは酵素を安定化する化合物の探索に有用であることを示すものである。
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Research Products
(2 results)