2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis for nonalcoholic steatohepatitis development mechanism using focused microarray analysis aimed for elucidation of food effect.
Project/Area Number |
15K14726
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮澤 陽夫 東北大学, 農学研究科, 教授 (20157639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲川 清隆 東北大学, 農学研究科, 教授 (80361145)
木村 ふみ子 尚絅学院大学, 総合人間科学部, 准教授 (50321980)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ラット / 脂肪肝 / フォーカストアレイ / 過酸化脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はフォーカストアレイカスタムチップの作成と、本チップの評価に必要な高脂肪食摂取脂肪肝モデルラットの作成条件の検討を行った。その結果、高脂肪摂取群で内臓脂肪の蓄積がみられたものの、予想に反し、得られた血漿および肝臓の脂質関連データおよび肝障害マーカーに差はみられなかった。 そこで、28年度は、飼料条件および飼育開始週齢の再検討を行ったところ、この飼育開始週齢の高いラット(成熟ラット: 飼育開始時20週齢)に多価不飽和脂肪酸含量の高い飼料を与えた場合に、肝臓への脂質蓄積が観察された。さらに、肝臓でのリン脂質過酸化(酸化ストレスの上昇)も観察され(J. Oleo Sic., in press)、脂肪肝から肝炎への進展を再現した実験動物モデルとしての可能性が示唆された。また、成熟ラットは対照の若齢ラット(飼育開始時6週齢)より有意に高いALT値を示したので、これらのラットについてフォーカストアレイによる解析を行った。その結果、飼育時週齢の高いラットでは、対照に対してMCP-1, IL1-aといった炎症系サイトカイン等の炎症関連遺伝子量の増加と、Keap1、Nfe2l2、G1、GPX2といった抗酸化関連遺伝子量の低下が観察された。一方、IL10, Tgfb1, TNFなどの炎症系サイトカインやNOS2といった炎症時に発生する酵素の遺伝子量は群間で差はなく、低値であったことから、今回使用した高脂肪食成熟ラットの肝臓は脂肪肝炎の初期段階であることが示唆された。これらの成果はフォーカストアレイチップの有用性を示すものである。
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