2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on biological activity of food-derived nucleic acids in intestinal immune system
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15K14730
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河合 慶親 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学系), 教授 (50380027)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 核酸 / 腸管 / 機能性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景と目的】我々は動物や植物などの生物を食物として利用することで、これらの生物を構成する様々な成分を日常的に摂取している。核酸はタンパク質や脂質、糖質などの主要栄養素とともにあらゆる生物に存在するが、食品中の含有量や適性摂取量、さらには機能性などの研究がほとんど行われておらず、食品・栄養学的意義が明確になっていない。そこで本研究では、食品中に含まれる核酸の抽出及び定量法の確立を試みるとともに、調理や消化吸収過程における変化や腸管における機能性についても検討を行い、これまで不明であった核酸の食品・栄養学的意義を明らかにすることを目的とした。 【方法】食品中に含まれる核酸の抽出方法について、抽出時のpHやビーズ破砕装置の使用等を検討し、最適な抽出方法を決定した。得られた核酸は一本鎖、二本鎖DNAおよびRNAにそれぞれ特異的な市販の蛍光プローブにより定量した。核酸の分子サイズについてはアガロース電気泳動によって評価した。核酸の機能性については、小腸上皮様モデルとして分化Caco-2細胞を用いて、核酸処理後の細胞からRNAを回収し、RT-リアルタイムPCR法により各種遺伝子発現について検討した。 【結果と考察】決定した抽出・定量法により様々な食品中の核酸量の定量が可能となった。また、同じ食品由来でも核酸量の違いが見られたことから、加熱調理の影響について検討したところ、加熱により回収される核酸量が減少し分子サイズの減少も認められた。よって、加熱調理によって食品中の核酸は低分子化することが示唆された。また、分化Caco-2細胞に食品由来核酸を処理し、腸管の保護やバリア機能を担うmucin 2やClaudin 4のmRNA発現について検討したところ、大豆及び鶏肉由来核酸において発現量の増大が認められた。よって、食品由来核酸が腸管の保護・バリア機能向上に寄与する可能性が示唆された。
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