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2016 Fiscal Year Research-status Report

摂食リズムの形成による燃料基質のシフト、インスリン抵抗性改善の新しいメカニズム

Research Project

Project/Area Number 15K14740
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

関 泰一郎  日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20187834)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 細野 崇  日本大学, 生物資源科学部, 講師 (80445741)
増澤・尾崎 依  日本大学, 生物資源科学部, 助手 (70614717)
Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords栄養生化学
Outline of Annual Research Achievements

近年、1日の平均摂取カロリーは近年減少しているが肥満や糖尿病患者数は相反的に増加している。この原因として、1日の活動時間の延長、夜型のライフスタイルへの移行などがある。高脂肪食負荷マウスでは、呼吸交換比 (RER)の日周リズムが乱れるが、1日の摂食時間を制限することで、時計遺伝子の発現が正常化し、RERの日周リズムが形成される。摂食時間制限により、高脂肪食による体重および内臓脂肪組織重量の増加を著しく抑制すること、肥満状態で乱れるRERの日周リズムを改善することを見出した。しかしながら、これらの結果は、時計遺伝子発現の位相が修正されることで肥満が抑制されるのか、あるいは、肥満が改善されることで時計遺伝子が改善されるかは未だ明らかでない。本研究では、日周リズムの形成に重要な時計遺伝子の1つであるBMAL1欠損マウスを用いて、摂食時間制限における肥満改善に時計遺伝子が関与するか検討を行った。さらに、摂食時間制限と呼吸代謝および体温の関係に着目し肥満抑制メカニズムの一端を明らかにしようとした。BMAL1欠損マウスを用いた研究に関しては、欠損マウスの飼育を重点的に行い、実験系のセットアップを継続中である。呼吸代謝と体温に関する実験は、C57BL/6Jマウスの腹腔内に体温計を埋め込み、脂質60%含有高脂肪食を自由に摂食できる自由摂食群と暗期8時間のみ与える摂食時間制限群に分けて呼気ガス分析を行った。酸素消費量は、本試験開始時において両群間で差はなかったが、本試験開始11週目 (暗期)の摂食時間制限群において有意に増加た。体温は、本試験開始3週目 (暗期)から摂食時間制限群において上昇傾向を示し、8週目 (暗期)と10週目 (暗期)では有意に増加した。活動量は本試験期間中、両群間で差はなかった。これらの結果から、摂食時間制限は、暗期における体温上昇を伴うエネルギー代謝の亢進によって肥満を抑制することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、昨年度計画した研究の完成度を高める実験を実施し、当初実施予定の実験の基盤構築を行った。さらに、来年度実施予定の遺伝子欠損マウスを用いた研究に着手することができた。すなわち、時計遺伝子欠損マウスに60%脂質含有高脂肪食を24時間摂食させる自由摂食群と暗期8時間のみ摂食させる摂食時間制限群の2群について、体重増加および呼気ガス分析を実施する準備が整った。また、血中トリグリセリド濃度、総コレステロール濃度の測定および脂質代謝や時計遺伝子発現の日内変動についてさらに詳細に解析する。実施内容とその順序が計画とは若干前後しているが、全体的にはおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

飼養が難しい遺伝子欠損マウスを効率よく確保し、当初計画された実験を実施するために適切な人員配置で研究を実施する体制を構築する。また、実験計画を再度検討して実施内容を取捨選択し、成果を上げるために必須な項目を重点的に追及する。特に時計遺伝子の一つであるBMAL1欠損マウスを用いて、摂食時間制限による体重増加、RERの日周リズムおよび脂質代謝関連遺伝子の日内変動についてさらに詳細に解析し、BMAL1が呼吸代謝の日周リズムの形成に関与するのかを明らかにする。これまでの実験結果と遺伝子欠損マウスの代謝動態に関する結果を統合して、新しい切り口で摂食時間制限における肥満改善に時計遺伝子が関与するか明らかにする。

  • Research Products

    (6 results)

All 2016

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] 食品因子による生活習慣病予防・改善機構の解明を目指して― miRNAを介した新しい食品機能の発現機構―2016

    • Author(s)
      細野 崇,増澤(尾﨑)依,関 泰一郎
    • Journal Title

      化学と生物(日本農芸化学会誌)

      Volume: 54 Pages: 909-914

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ガーリックオイルの肥満改善効果とそのメカニズムの解明2016

    • Author(s)
      岡本 篤、小島 貴之、増澤(尾﨑)依、細野 崇、関 泰一郎
    • Organizer
      第21回日本フードファクター学会
    • Place of Presentation
      富山国際会議場(富山県富山市)
    • Year and Date
      2016-11-19
  • [Presentation] ガーリック香気成分による血小板凝集の抑制効果について2016

    • Author(s)
      中口夏美、細野 崇、関 泰一郎
    • Organizer
      第31回日本香辛料研究会
    • Place of Presentation
      長浜勤労者会館(滋賀県長浜市)
    • Year and Date
      2016-10-09
  • [Presentation] ガーリックオイルの肥満改善効果とそのメカニズムの解明2016

    • Author(s)
      岡本 篤、小島貴之、細野 崇、関 泰一郎
    • Organizer
      第70回日本栄養・食糧学会大会
    • Place of Presentation
      武庫川女子大学(兵庫県西宮市)
    • Year and Date
      2016-05-15
  • [Presentation] 食餌誘導性肥満マウスでは血小板凝集能が亢進する2016

    • Author(s)
      中口夏美、小林 裕、小島貴之、中島 史津子、三浦 徳、細野 崇、関 泰一郎
    • Organizer
      第70回日本栄養・食糧学会大会
    • Place of Presentation
      武庫川女子大学(兵庫県西宮市)
    • Year and Date
      2016-05-15
  • [Presentation] ガーリック由来有機硫黄化合物の抗炎症作用とその作用メカニズムに関する研究2016

    • Author(s)
      奥江 紗知子、今井孝俊、日吉滉平、船戸里香、中口夏美、林 浩和、横山令奈、細野 崇、関 泰一郎
    • Organizer
      第70回日本栄養・食糧学会大会
    • Place of Presentation
      武庫川女子大学(兵庫県西宮市)
    • Year and Date
      2016-05-14

URL: 

Published: 2018-01-16  

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