2015 Fiscal Year Research-status Report
新たな点群処理技術に基づく森林3次元データ高次利用システムの開発
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15K14763
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
平岡 裕一郎 国立研究開発法人 森林総合研究所, 林木育種センター, 室長 (50370862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 宏 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (40302757)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 3次元点群データ / 森林 / 樹木個体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地上型レーザスキャナ等で取得された森林の3次元点群データの新たな解析手法を開発することを目的とする。森林で取得した点群データについて樹木個体をモデル化し、幹部分の抽出および枝等の器官の抽出を、自動かつ高速で実現する手法を目指す。本研究により、これまで取り扱いが困難なため実用的利用の遅れていた、森林の3次元点群データの実用性が飛躍的に向上すると期待される。今年度は、これまでに取得済みのスギ、ヒノキ、アカマツの各試験林の点群データを用いて、手法開発を進めた。まず、点群データの前処理として、地面成分の除去を行った。森林内では地面の凹凸が激しく、ノイズとなる雑草も生えているため、それらを考慮した方法を採った。その後、点群データにおいて、近傍点の接続により連結した領域に分割し、分割領域のメッシュモデルを生成した。生成したメッシュモデルを高さ別の平面で切断し、同一平面上で得られた切断線について近隣同士でグルーピングし、幹断面を構成する切断線の候補を抽出した。同一グループとなった切断面を円弧で近似し、上下方向に存在する円弧集合を個々の樹木個体の幹として抽出した。さらに抽出された単一の樹木のデータから、樹木の幹の骨格を抽出し、同様に枝を検出する手法を検討した。本研究でこれまでに開発した手法は、これまでに報告されている方法と比較して極めて高速で処理することが可能であった。また、本研究で開発する手法の検証のため、新たに点群データの取得および実測値の計測に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた事項について、研究の重要な部分については、ほぼ計画どおり実行できている。次年度の予定であった樹木個体の枝に由来する点群の解析については、手法の検討をすでに進めており、計画以上の進展をさせることができた。一方で、点群データからの推定値と現地での実測値との比較については、データの収集にとどまった。このように、一部の事項について計画と異なる部分があったが、総合的に判断し、区分を(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
針葉樹試験林を利用した解析手法開発の継続として、前年度の解析をさらに進め、各器官情報の定量化を実現する。また、開発手法の検証と修正として、実測値と推定値の比較検証を行い、開発したアルゴリズムを修正する。開発したアルゴリズムをベースとしたアプリケーション化を図る。
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Causes of Carryover |
物品が当初予定していた額よりも安価で購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は点群データ取得のためのレーザ計測を行うこととしているが、開発する解析手法の検証のため、より多様な森林において計測を行い、データを充実させる予定である。
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Research Products
(4 results)