2015 Fiscal Year Research-status Report
ポプラペルオキシダーゼCWPO-Cは“木化と分化・形態形成”を制御する
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15K14774
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
堤 祐司 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30236921)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ペルオキシダーゼ / リグニン / 分化 / 形態形成 / 機能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポプラのペルオキシダーゼCWPO-Cは、あらゆる分子サイズの基質を酸化可能な“全能性”をもつことから、リグニン形成への寄与が示唆されている。一方で、CWO-Cはリグニン形成部位に加え、細胞の分裂および分化活発な組織で強く発現することから、“多機能”であることが予想された。本研究ではリグニン形成特異的と考えられてきたCWPO-Cがリグニン形成に関与する酵素であるか否か、また、如何にして生長、分化に関与しているのかを解明することを目的とした。本年度は、ポプラおよびシロイヌナズナ形質転換体の創出と一部の表現型解析を試み以下の結果を得た。 1.ポプラRNAi発現抑制体の創出と表現型解析・・・RNAiによってCWPO-C遺伝子の発現が約75%抑制されたポプラは、茎の長さ、太さともに野生型よりも増大した。また、根の数も増加し、CWPO-Cは植物生長のネガティブレギュレーターとして機能しうることが示唆された。 2.シロイヌナズナ過剰発現体の創出と表現型解析・・・CWPO-Cをタンパクレベルで高度に蓄積するシロイヌナズナを創出した。過剰発現体は予想に反し“生長促進”と“生長の遅れ”といった、相反する2つのタイプの表現型を示すものに分かれたが、どちらも側芽の数が増加し、生長や分化に関与することを強く示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題において最も重要な研究材料となる、高レベルにCWPO-Cを発現または発現抑制する植物体を得た。しかし、ポプラ発現抑制体は1ラインのみであり、ポプラ過剰発現体系統は未だ得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.形質転換体の表現型解析 引き続き、形質転換体の表現型解析を行い、①CWPO-Cがリグニン形成に関与する酵素であるか否か、②若い組織における役割、③気孔やトライコーム形成にどう関与する酵素なのかについて重点を置き検証する。 2. CWPO-Cと植物ホルモン類との相互作用についての検証 芽生えおよび培養細胞に各種植物ホルモンやホルモン阻害剤処理し、CWPO-C転写量ならびにタンパク量の比較を行い、植物細胞の形態形成に植物ホルモン類を介してCWPO-Cが関与しているか否か評価を行う。またCWPO-Cと発現が非常によく似ていることが報告されているCLEペプチドの発現解析を行い、CLEペプチドと植物ペルオキシダーゼの関係性について新規性の高い知見をもたらすことで、新たな研究展開に繋げたい。
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