2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K14790
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石松 惇 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環シナ), 教授 (00184565)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生態・行動 / マッドスキッパー / 進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年6月21日から28日、および2016年3月5日から14日の2回にわたって、ベトナムSoc Trang省、MoOの干潟で調査を行った。2回の調査ともに、以下の5種類のマッドスキッパーの生息を確認し、Periophthalmodon schlosseriを除いた4種について行動記録を行った。P. schlosseriは生息個体数が少なく、行動記録ができなかった。また、5種について、少数個体を採集し、消化管内容の分析を行った。
Boleophthalmus boddarti, Oxuderces dentatus, Periophthalmodon schlosseri, Periophthalmus chrysospilos, Scartelaos histophorus
Pn. schlosseri以外の4種の水中と陸上での行動時間の分配を分析したところ、B. boddartiとPs. chrysosiplosは記録時間中約90%干潟上で行動していたのに対し、S. histophorusは16%、O. dentatusは1%と陸上での行動時間に大きな種間差が見られた。5種のうち、B. boddartiとO. dentatusは植物食性、Ps. chrysospilosとPn. schlosseriは動物食性、S. histophorusは雑食性であることが判明した。消化管長の標準体長に対する比は植物食性の2種で1.3-1.8、Pn. schlosseriが1.1、S. histophorusが0.8、Ps. chrysospilosが0.7であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前調査では、調査地に4種が生息する情報を得ていたが、今年度の調査により5種の生息が確認され、その意味では予想以上に研究が進んだ。27年度に計画した行動解析、形態比較については、ほぼ計画どおり順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の観察・計測を継続するとともに,以下を行う. (1)代謝測定 5種のmudskipper をカントー大に持ち帰り,酸素消費量の測定を行う.溶存酸素を現場の干潟海水と同じレベルに調整した海水中に,これら4 種を一定時間おき,その後陸上へ移行させた際の酸素消費量の経時変化を測定する.
(2)2年間の研究を通してヒレから四肢への変化やエラの退縮などよりも微細なレベルで,陸上への移行に伴う形態・機能的変化を,現生のmudskipper 類の形態・生理・生態から特定し,関連する学会・専門誌等で公表する.
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