2015 Fiscal Year Research-status Report
衛星通信とバイオロギングの統合による海洋動物生態の遠隔観測システムの開発
Project/Area Number |
15K14793
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
高橋 晃周 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (40413918)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 海洋生態 / 動物行動 / バイオロギング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終的な目的は、バイオロギング手法によって取得された海洋動物の生態情報をアルゴス衛星経由で遠隔的に取得するシステムを開発することである。近年、海洋動物の行動解析によく用いられる加速度・ビデオ記録はデータ容量が膨大であり、連続的に取得されたデータを衛星経由で伝送することは難しい。そこで、まず、加速度・ビデオ記録から行動・生態的に重要なイベント(捕食行動・ストローク行動など)のみを抽出することでデータ容量を圧縮し、イベントの発生頻度や発生時刻を記録する小型加速度・ビデオ記録計を開発することを本年度の目的とした。記録計開始・終了のトリガーの効率的な設定について、深度・加速度等による設定を検討し、これらの設定を組み込んだ小型加速度・ビデオ記録計を、研究協力者・リトルレオナルド社の協力によって開発した。ここで開発したビデオ記録計2台を米国カリフォルニアで繁殖するキタゾウアザラシにテスト装着する野外調査を実施した。これらの記録計はアザラシが回遊から戻る平成28年度5月頃に回収を行って、記録計開始・終了のトリガー設定についての検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小型加速度・ビデオ記録計を開発し、野外調査によってテスト装着を行えたため
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Strategy for Future Research Activity |
まずはテスト装着を行ったキタゾウアザラシからの記録計の回収に全力を尽くす。カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究協力者の支援を受けながら、記録計回収に向けた作業を着実に進める。
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Causes of Carryover |
研究協力者と作業工程を検討し直した結果、記録計の一部機能(衛星への送信ユニット)の開発を次年度に実施するよう計画を変更したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
記録計への機能追加(衛星への送信ユニット)に係わる経費に使用する計画である。
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